お知らせ

2024/01/12

犬猫の鍼治療について愛玩動物看護師が解説&シニア犬にローラー鍼を使ってみました!<冨板>

犬猫の鍼治療について愛玩動物看護師が解説&シニア犬にローラー鍼を使ってみました!<冨板>

こんにちは!愛知県一宮市のおおい動物病院、愛玩動物看護師の冨板です!
当院では昨年末から東洋医学に力を入れています。

昨年から犬猫に漢方薬の処方を開始、そして今年からは犬の鍼治療と温灸マッサージを始めました。

 

そこで本コラムでは犬猫の鍼治療 についてお話しします!
その中でも、特にご家庭で誰でも気軽にできる鍼治療である「ローラー鍼治療」に重きを置いてお話できたらと思います。
お家でできるセルフケアの満足度を上げてあげたい、少しでもペットの関節炎や体の不快感を取り除いてあげたいという方にオススメですので、ぜひ最後までご覧下さい😊
 
 
目次
[1]ローラー鍼の前に・・・犬猫の鍼治療について
[2] お家で手軽に犬猫に使える!ローラー鍼について
[3] 犬猫にローラー鍼を使うことのメリット
[4] 犬猫にローラー鍼を使用する際のガイドラインと注意点
[5] 当院の看板犬にローラー鍼を実際に使ってみました!
[6] 犬猫のローラー鍼まとめ 
 
 
動物の鍼治療といってもピンと来ない方が多いと思うので、まずは簡単に鍼治療についてご紹介します。
 
[1]ローラー鍼の前に・・・犬猫の鍼治療について
 
犬猫の鍼治療は、古代中国にその起源をたどります。古代中国では、鍼を用いた治療が身体のエネルギー(気)の流れを整え、健康を促進するとされていました。この考え方は東洋医学の一環であり、後に日本にも広がっていきました。
鍼治療は、犬猫の様々な病気や症状に対する補完療法として注目を集めています。
 
犬猫にも人間と同じように体の表面に経穴(ツボ)があります。
特に慢性的な痛みや関節炎、神経系の問題に対して有効であるとされており、ツボに鍼を刺すことで神経刺激が生じ、血行が改善し、身体の自然な治癒力が促進されるとされています。
 
 
[2] お家で手軽に犬猫に使える!ローラー鍼について
 
最近当院でも取り扱いをはじめたローラー鍼をご紹介します。

IMG_3743.jpeg

ローラー鍼は、伝統的な鍼灸療法をベースにした新しいアプローチで、小さな鍼がローラーになっている道具を使用します。
表面に小さいトゲトゲが沢山ついており(地道に数えてみたところ、約115トゲトゲでした😆)、これを皮膚の上で転がして使います。

IMG_3747.jpeg

この手法は、ツボに対する刺激を与えて血行を促進することで体の調子を整えることを目的としています。
 
 
[3] 犬猫にローラー鍼を使うことのメリット

メリット1  : 刺激の強さを調整しやすい
ローラーを転がすだけなので力の強さを調整しやすいです。
ローラーを軽く転がすだけでなく、特定の箇所に焦点を当てて圧力をかけることも可能です。これにより、個々のニーズや快適な範囲で鍼の効果を得ることができます。

メリット2 : セルフケアに適している
ローラー鍼は自宅で簡単に利用できます。日常的なストレスや筋肉の疲労を軽減し、リラックス効果をもたらすことが期待されます。
ただし、使用する際には注意が必要で、十分な知識を持つか、専門家のアドバイスを仰ぐことが重要です。
 
 
[4] 犬猫にローラー鍼を使用する際のガイドラインと注意点
 
①獣医師や専門家に相談する 
 獣医師や専門家に相談し、犬猫の健康状態や適切な鍼療法についての助言を得てください。特に既存の健康問題がある場合は、自己判断せずに獣医師や専門家からの意見を求めましょう。ローラー鍼の使用方法についても正確な指導を受けましょう。正しいテクニックと圧力の調整が重要です。
 
②犬猫の反応を観察する
 ローラー鍼を使用する際には、犬の反応を慎重に観察しましょう。興味を示すか、リラックスする姿勢を見せる場合は良い兆候ですが、不安や痛みを感じているようであれば即座に中断しましょう。
 
③優しく軽く行う
 ローラーを優しく転がすことで、犬猫にストレスをかけずに鍼の効果を得ることができます。強い圧力や急激な動きは避けましょう。
一定の圧力と速度で転がすことが重要です。
 
④定期的なモニタリング
 ローラー鍼を導入した後は、犬猫の健康状態を継続的にモニタリングし、変化があれば獣医師に報告しましょう。
最も重要なのは、犬の健康と安全を最優先にすることです。専門家の助言を仰ぎつつ、慎重に行うように心がけましょう。
 
 
[5] 当院の看板犬にローラー鍼を実際に使ってみました!

当院の看板犬、からあげちゃんに協力してもらいました!🙏

image0.jpeg

①ツボの場所を把握する
それぞれのツボによって作用は異なると言われています。それぞれの犬猫に合ったツボをしらべてコロコロしてみましょう。

からあげはパテラ(膝蓋骨脱臼)なので、足回りが特に凝っています。

コロコロして気持ちよさそうなところ、筋肉が張っていてほぐしてあげたいところを重点的にコロコロしましょう。

IMG_3970.jpeg

②毛並みにそって優しくコロコロする
強く圧力をかける必要はありません。
動物が気持ちいいとかんじるくらいの優しく軽い刺激を皮膚に与えるだけで大丈夫です。
強くしすぎると逆に体を痛める原因になるので、きをつけましょう。

③その子に合わせた適度な時間の目安を守る
小型犬、猫ちゃんなら1日約5分以内
中型、大型犬なら1日約10分以内
の治療を心がけましょう。

④動物が嫌がる前にやめる
ローラー鍼が嫌な思い出として残ってしまわないように、なるべく嫌がる前にやめることをこころがけましょう。
おやつを与えながらコロコロするのがオススメです!

IMG_3971.jpeg

動物が慣れて嫌がらなければ、ツボだけでなく気持ちよさそうなところをコロコロしてみてもいいかもしれません😊

image.png

協力してくれたからあげちゃん、ありがとうございました!😍(この後ご褒美のおやつを美味しそうに食べてくれました💕)


[6] 犬猫のローラー鍼まとめ

いかがでしたか?

当院でも今年から、鍼灸治療やローラー鍼の取り扱いを始めました!

興味のある方は、診察の際に獣医師に相談していただければ、詳しい使い方をご説明いたしますね。

 

実際私も 愛犬である14歳トイプードルのあずきの関節痛に悩んでいました。アンチノールを飲ませたりカルトロフェンベット注射を試してみたり、、。
あずきの負担にならないようなセルフケアを継続的に出来ないか悩んでいたところ、副院長が勧めて下さったのがローラー鍼でした!
使い始めて2週間ほど経ちますが、あずきもコロコロの刺激に慣れ、気持ちよさそうにしてくれています🍀
これからも継続的に使って、あずきの体の痛みを少しでも和らげる手伝いが出来たらと思います😊

ローラー鍼のようにお家でセルフケアの一環として始められるものもあるので、気になる方は是非一度ご相談ください😊

 
image0-1.jpeg執筆◆冨板くるみ(愛玩動物看護師)
起きる時間の30分前にアラームをかけて、そのあと二度寝をするのにハマっています。

 

IMG_8348.jpg監修◆大威優子(副院長・獣医師)

昨年末に、鍼灸の先生をお招きして、みっちり1日セミナーを受けました!2024年は、東洋医学やシニアケアにより一層力を入れていきます!東洋医学とシニアケアは相性がいいので、お悩みの方はご相談くださいね。