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2026/10/16
シニア犬が滑ると危険?愛犬の関節を守るフローリング対策と暮らしの工夫<増田>|愛知県一宮市 おおい動物病院
⏱ このコラムは約5分で読めます
こんにちは!愛玩動物看護師の増田です!
今回もシニア犬の暮らしに関する内容でお話ししていきます🐕
愛犬がフローリングの上を歩いているとき、足がツルッと滑ったり、立ち上がるときに足を踏ん張れなかったりする様子を見たことはありませんか?
若い頃は平気だった愛犬も、年齢を重ねるにつれて筋力や関節の機能が低下し、滑りやすい床での移動が難しくなることがあります。
「少し滑るくらいなら大丈夫かな?」と思うかもしれませんが、実は、滑りやすい床はシニア犬の足腰に大きな負担をかける原因のひとつです。
今回は、シニア犬が滑ることの危険性や、ご家庭でできるフローリング対策、マットの選び方、関節ケアについてご紹介します!
シニア犬が滑ると、どんな危険があるの?
犬は歩くとき、足の裏にある肉球などを使って地面を捉え、体を支えています。しかし、フローリングのような滑りやすい床では、足が滑って十分に踏ん張れないことがあります。
特にシニア犬は、加齢に伴う筋力の低下や関節の変化によって、若い頃よりも転びやすくなる傾向があります。滑ることで考えられるリスクには、次のようなものがあります。
⚠️ 滑る床が引き起こす3つのリスク
① 関節や筋肉への負担
足が滑ると、転ばないように踏ん張ろうとして足腰の筋肉や関節に余計な力がかかります。このような動作を繰り返すことで関節に負担がかかり、痛みがある犬では症状が悪化する可能性もあります。
② 転倒によるケガ
滑って転んだ際に、足を捻ったり体を強く打ったりすることがあります。筋力が低下している犬や、もともと関節に問題を抱えている犬では、転倒をきっかけに歩きにくくなることもあるため注意が必要です。
③ 歩くことへの不安
床で滑る経験を繰り返すと、歩くこと自体を怖がるようになる犬もいます。動く機会が減るとさらに筋力が低下し、歩行が不安定になるという悪循環につながることもあります。
一度滑っても普段通りに歩いているからといって、必ずしも問題がないとは限りません。日頃から愛犬の歩き方を観察し、転倒しにくい環境を整えてあげることが大切です。
フローリング対策① 滑りにくい床を作ろう!
シニア犬の安全を守るために、まず見直したいのが室内の床環境です。
フローリングを全て変更する必要はありません。愛犬がよく歩く場所から少しずつ対策を始めてみましょう。例えば、次のような場所がおすすめです。
- 寝床から食事場所までの通り道
- リビングなど、長い時間を過ごす場所
- 廊下や部屋の出入り口
- 方向転換する場所や曲がり角
- ソファやベッドの乗り降りをする場所
特に、立ち上がる時や方向転換をするときは足が滑りやすいため、足元が安定するように工夫してあげましょう。
また、爪が伸びすぎていたり、肉球の間の毛が伸びていたりすると、足元がさらに滑りやすくなります。定期的な爪切りや足裏の毛のケアも、歩きやすさを保つためにとても大切です。
フローリング対策② マットを活用しよう!
手軽に始められる対策としておすすめなのが、滑り止め付きのマットやカーペットを敷くことです。
マットを選ぶときは、次の3つのポイントを意識してみましょう!
💡 マット選びの3つのポイント
① 裏面に滑り止めが付いているもの
マット自体が滑ってしまうと、かえって転倒の原因になります。床にしっかり固定できるものを選びましょう。必要に応じてマットの下に滑り止めシートを使用する方法もあります。
② 足が引っかかりにくいもの
厚みがありすぎるものや、端がめくれやすいものはつまずきの原因になります。できるだけ段差が少なく、足を運びやすいものがおすすめです。
③ お手入れしやすいもの
シニア犬は体調の変化によって粗相をしてしまうこともあります。汚れた時に洗えるものや、部分的に交換できるジョイントマットなど、清潔に保ちやすいものを選ぶと便利です。
関節ケアも忘れずに!
床の対策とあわせて取り組みたいのが、日頃からの関節ケアです。
① 適性体重を維持する
体重が増えると、歩行や立ち上がる際に足腰へかかる負担も大きくなります。シニア期は活動量が減り体重が増えやすくなることもあるため、食事やおやつの量を見直し、適性体重を維持しましょう。
② 無理のない運動を続ける
筋肉は関節を支える重要な役割を担っています。体調や足腰の状態に合わせて散歩などの適度な運動を続けることは、筋力の維持につながります。
ただし、痛みがある場合や歩き方に変化が見られる場合は無理に運動させず、まずは動物病院に相談しましょう。
③ 愛犬の変化を見逃さない
次のような様子が見られたら、関節や足腰に問題が起きている可能性があります。
🔍 要チェック!足腰・関節の不調サイン
- 立ち上がるまでに時間がかかる
- 散歩に行きたがらなくなった
- 階段や段差を嫌がるようになった
- 足を引き摺る、跛行(はこう)が見られる
- 寝ている時間が増えた
- 抱き上げたり、体に触れると嫌がる
こうした変化を「年齢のせいだから仕方ない」と決めつけないことが大切です。関節炎などの病気が隠れている場合もあるため、気になる症状があれば早めに受診しましょう。
※急に足を着けなくなった、強い痛みがある、立ち上がれないといった場合は、早急に動物病院へご相談ください。
まとめ
シニア犬にとって、フローリングなどの滑りやすい床は、転倒や関節への負担につながることがあります。
しかし、滑り止めマットを敷いたり、段差を減らしたり、爪や足裏の毛を適切にケアしたりすることで、日常生活の安全性をぐっと高めることができます。
さらに、適性体重の維持や無理のない運動、定期的な健康チェックを組み合わせることで、愛犬が快適に過ごせるようサポートしていきましょう。大切なのは、愛犬の年齢や体の状態に合わせて、暮らしやすい環境を整えてあげることです。
「最近よく滑るようになった」「歩き方が変わった気がする」など、少しでも気になることがありましたら、お気軽に当院へご相談くださいね。
愛犬がシニア期を迎えても、安心して自分らしく暮らせるように、毎日の生活環境を見直してみませんか?
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シニア期のサプリメント活用体験談 【愛玩動物看護師コラム】シニア期の悩みをサポート ~高齢の愛犬にガードワンを飲ませてみた~ |
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◆ 執筆:増田 晴佳(愛玩動物看護師) 学生時代はバスケ部に所属していました。 今は少し運動するだけで全身筋肉痛になるほど運動不足ですが、今でもスポーツは結構好きです。 |
2026/10/15
【学会報告】AiANZ獣医皮膚科シンポジウムに参加してきました!<副院長>
⏱ このコラムは約4分で読めます
こんにちは!おおい動物病院です。秋の深まりを感じる季節となりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?🍁
先日、土日にお休みをいただき、奈良県で開催されたAiANZ 獣医皮膚科シンポジウムに参加してきました!
世界トップクラスの知見が集結!刺激あふれる国際学会
今回の学会は、アジア・オーストラレーシア地域で初開催となる記念すべき国際大会です。
日本国内での開催ではありましたが、会場内の発表やディスカッションはほぼすべて英語で行われ、世界中から集まった獣医皮膚科の第一人者や専門医の先生方による熱気あふれる講義が行われました。
教科書でしか見ることができないような世界的権威の先生方のセミナーを直接聴講したり、レジェンドの先生とお話しすることができ、最新の症例データや治療アプローチに触れる大変貴重な時間となりました!
当院の皮膚ケアアプローチの有効性を再確認
今回の学会で特に大きな収穫となったのが、当院で実践している皮膚治療・スキンケアについての検証です。
現在当院でも力を入れている「2.5%クロルヘキシジンを用いた拭き取りケア+丁寧な保湿処置」のアプローチについて、海外の専門家の先生に個人的に質問させていただきました。
💡 専門家とのディスカッションで得られた確信
お薬に頼りすぎず、皮膚表面の菌の増殖を抑えながらバリア機能を保湿で補う治療方針は、国際的な臨床現場においても非常に有効で理にかなったアプローチであると直接確認することができました。
当院で通院中のワンちゃん・ネコちゃんにお伝えしている日々のスキンケアが、国際基準でも確かな効果をもたらすものであると再確認でき、大きな自信となりました。
「Nara Dinner」での交流と新たな刺激
土曜日の夜には、会場で「Nara Dinner」と呼ばれる立食交流パーティが開催されました!
会場は国内外から参加された大勢の獣医師で埋め尽くされ、非常に華やかで盛況な雰囲気でした✨
途中、和太鼓の演奏や、先生方によるバンド演奏もあり、国際学会だな〜と若手の先生方と感動しました(笑)
同じように皮膚科領域を専門的に学び、研鑽を積んでいる全国の研修医や若手・中堅の先生方とも深く交流することができ、お互いの悩みや症例について意見を交わしながら、多くの刺激とモチベーションをいただきました。
日々の皮膚科・耳科診察へ還元していきます
皮膚の病気や繰り返すかゆみ、赤みは、言葉を話せないワンちゃん・ネコちゃんにとっても、そして見守る飼い主様にとっても長年の大きなストレスとなります。
今回、世界基準の国際学会で得た最新の知見と、志の高い先生方とのネットワークを糧にして、日常の診察やスキンケア指導へしっかりと還元してまいります。
「スキンケアを試しているけれどなかなか改善しない」「皮膚のお薬を減らしていきたい」などでお悩みの飼い主様は、どうぞお気軽にご相談くださいね!
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◆ 執筆:大威優子(獣医師・副院長) 今回奈良に行くのは3回目でしたが、一切観光できず帰ってきました(泣) でもNARA Dinnerにて三輪そうめんと笹の葉寿司をしっかり堪能できて満足です。周りの先生にも「三輪そうめんは有名だから食べないと!」と勧めまくって不審がられました! |
2026/10/02
おうちでできる愛犬のブラッシング方法!毛玉を防ぐ正しいお手入れ〈中村〉|愛知県一宮市 おおい動物病院
こんにちは!トリマーの中村です!
皆さんは、おうちでわんちゃんのブラッシングをしていますか?🐶
ブラッシングは、毛並みをきれいに保つだけでなく、毛玉やもつれを防いだり、皮膚の状態を確認したりするためにも大切なお手入れです。
今回は、おうちでも実践できる正しいブラッシング方法や、ブラッシングの際に気をつけたいポイントをご紹介します!
1. ブラッシングの大切さ
わんちゃんの毛並みをきれいに保つために、日頃のブラッシングはとても大切です。
ブラッシングには、毛のもつれや毛玉を防ぐだけでなく、抜け毛を取り除いたり、皮膚の状態を確認したりする役割もあります。
特に毛が伸びやすい犬種や、毛が絡まりやすいわんちゃんは、こまめなお手入れが必要です。
また、ブラッシングを通して皮膚の赤みやできものなどに気づくこともあります。
今回は、おうちでできる正しいブラッシング方法をご紹介します!
2. 正しいブラッシング方法
STEP 1:皮膚が見える状態にする
まずは、手やドライヤーを使って毛をかき分け、皮膚が見える状態にします。ドライヤーを使う場合は、冷風や弱い風に設定し、熱くならないように注意しましょう。皮膚が見えたら、毛の根元からブラッシングを始めます。
STEP 2:少しずつブラッシングする
毛を少しずつかき分けながら、根元から毛先に向かってブラッシングしていきます。一度に広い範囲をとかそうとせず、少しずつ進めることがポイントです。
STEP 3:皮膚を傷つけないようにする
ブラシを強く押し当てると、皮膚を傷つけてしまうことがあります。力を入れすぎず、優しくブラッシングしましょう。特に皮膚が薄い部分や、毛が絡まりやすい部分は注意が必要です。
STEP 4:無理をせず、少しずつ慣らす
ブラッシングが苦手なわんちゃんには、無理に続けず、短い時間から始めてみましょう。優しく声をかけたり、できたら褒めてあげたりすることで、少しずつ慣れてもらうことが大切です。
3. ブラッシングの際に気をつけたいこと
毛玉やもつれがある場合、無理に引っ張ると皮膚を傷つけたり、わんちゃんが痛がったりすることがあります。
⚠️ 特に毛が絡まりやすい部分
・耳の後ろ
・脇の下
・足の付け根
これらの場所は皮膚が薄くデリケートです。優しく確認しながらブラッシングしましょう。
また、嫌がったり痛がったりする場合は無理に続けず、必要に応じてトリマーや動物病院にご相談ください。
4. まとめ
毎日のブラッシングは、毛並みをきれいに保つだけでなく、皮膚の異常や体の変化に早く気づくきっかけにもなります。
わんちゃんの毛質や性格に合わせて、無理のない範囲で続けることが大切です。
おうちでのお手入れについて分からないことや気になることがあれば、お気軽にご相談ください♪
愛犬とのスキンシップを楽しみながら、日々のお手入れを習慣にしていきましょう!
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シニア期のトリミングについて徹底解説! シニア犬にトリミングは必要? 頻度や負担の少ない方法をトリマーが徹底解説します! |
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◆ 執筆:中村 安里(トリマー) 最近、ずっと行ってみたかったロン・ミュエク展に行ってきました!実際に作品を見ることができて、とても貴重な時間になりました♪ |
2026/09/18
台風・大雨の日は下痢や嘔吐に注意!天気と犬猫の体調・ストレスの関係<寺澤>|愛知県一宮市 おおい動物病院
こんにちは、トリマーの寺澤です!
最近は雨の日が続いていますね☔️
気温や湿度の変化もあり、なんとなく身体が重く感じたり、気分がすっきりしない日もあるのではないでしょうか。
今回は、天気と犬猫との関わりについてお話したいと思います!
犬や猫は人間よりも環境の変化に敏感なため、台風や大雨によるさまざまな変化が、体調や行動に影響することがあります。
1. 台風・大雨・雷の日は、犬や猫の体調に注意❗️
台風や大雨の日になると、「いつもより元気がない」「落ち着かない」「ごはんを食べない」など、愛犬・愛猫の様子がいつもと違うことはありませんか?
犬や猫は人間よりも環境の変化に敏感なため、台風や大雨による気圧・気温・湿度の変化、雷や強風などの刺激がストレスとなり、体調や行動に影響することがあります。
特に注意したいのが、下痢や嘔吐などの胃腸症状です。
2. ⚡️雷の音がストレスになることも…
雷が苦手な犬や猫は少なくありません。
犬や猫は人間よりも聴覚が優れているため、遠くで鳴っている雷の音にも反応することがあります。
🐾 怖がり方のサイン例
・震える
・ハァハァする(パンティング)
・ウロウロ落ち着かない
・狭い場所に隠れる
・飼い主さんにくっついて離れない
・大きな声で吠える
雷の音だけでなく、強い光・雨音・風の音・気圧の変化など、いくつもの刺激が重なることで、より強いストレスを感じる子もいます。
3. 💩ストレスが下痢につながることも…
強いストレスを感じると、自律神経のバランスが変化し、胃腸の働きに影響することがあります。
その結果、腸の動きが活発になって便が柔らかくなったり、下痢をしたりすることがあります。
台風や雷のたびに下痢をする場合は、天候やストレスが一つのきっかけになっている可能性も考えられます。
ただし、下痢には食事の変化、誤食、感染症など、さまざまな原因があります。「雷のせい」と決めつけず、便の回数や状態、食欲、元気などを確認することが大切です。
4. 🤢嘔吐することも…
強い不安やストレスによって、吐き気や嘔吐が起こることもあります。
特に雷が鳴っている間に落ち着かず動き回ったり、食欲が落ちたりする子は、普段とは違う体調変化が出ることがあります。
⚠️ 早めの受診が必要な場合
嘔吐はストレス以外にも、誤食や胃腸の病気などさまざまな原因があります。
・何度も繰り返し吐く
・下痢も同時に起きている
・血が混じっている
・ぐったりしている
・水を飲んでも吐いてしまう
などの場合は、早めに動物病院へ相談しましょう。
5. ☝🏻雷や台風の日にできること
雷が苦手な子には、できるだけ安心して過ごせる場所を用意してあげましょう。
🏠 ご家庭でできる安心ケア
・カーテンを閉めて雷の光を減らす
・窓から離れた静かな場所にベッドやクレートを用意する
・飼い主さんが慌てず普段通りに接する
台風や大雨の日は、食欲・水分・排泄・元気・行動にいつもと違う変化がないかをチェックしてあげましょう。
天気が崩れる日は、人間だけでなく犬や猫にとってもストレスがかかりやすい日です。
「今日は雷が鳴るかも」、「台風が近づいているな」と思ったら、いつもより少しだけ愛犬・愛猫の様子を気にかけてあげてくださいね!
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災害対策を動物看護師が解説! 災害時にペットを守るためにできること |
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◆ 執筆:寺澤 さくら(トリマー) 友達と水族館に行ってきました🐬 |
2026/09/08
長引く耳のかゆみ・外耳炎の原因は「耳の奥の葉っぱ」?ビデオオトスコープ症例<副院長>|愛知県一宮市 おおい動物病院
こんにちは!副院長の大威優子です 🐶
「お薬や点耳薬をしっかり続けているのに、なかなか耳の炎症や気にする仕草が治まらない」
このような「難治性外耳炎」でお悩みの飼い主様は少なくありません。
今回は、他院で1年以上治療を続けても改善せず、「夜も眠れないほど耳を気にしている」という主訴で当院を受診されたスタンダードプードルちゃんの症例をご紹介しながら、
長引く耳トラブルの裏に潜む意外な原因と、当院で行っているビデオオトスコープ(耳内視鏡)による「見える耳科診療」について詳しく解説します。
1. 1年以上続いた「夜も眠れない耳のかゆみ」
ご来院されたわんちゃんは、1年以上もの間、他院にて外耳炎の治療を継続されていました。
飼主様も大切に飼われており、お利口さんで、点耳薬もしっかり使えていたとのことです。
しかし一向に良くならず、激しいかゆみや違和感から「夜も落ち着いて眠ることができない」という非常につらい状態が続いていました。
ここで問題となるのが、わんちゃんの「耳の構造」と「犬種の特性」です。
大型犬で耳が大きく、さらに耳道の被毛が非常に豊かであるトイプードルやスタンダードプードルなどの犬種では、手持ちの一般的な耳鏡検査(肉眼での覗き込み)では光や視界が奥まで届きづらく、耳道の最深部(鼓膜付近)の状態を正確に把握することが困難なケースがあります。
2. ビデオオトスコープで判明した真の原因
当院にてビデオオトスコープ(耳内視鏡)を導入し、耳道の奥深く・鼓膜の直前まで精密な観察を行ったところ、驚くべき原因が判明しました。
なんと、鼓膜の手前に「長さ2〜3cmほどの葉っぱ」がガッチリと停滞していたのです。
拡大モニターで異物の位置や鼓膜の損傷有無を慎重に確認しながら、麻酔下にて安全に摘出処置を実施いたしました。
✨ 摘出後の変化
摘出を終えると、1年以上続いていた耳を気にする仕草はその日のうちに完全に消失!飼い主様からも「その日の夜から嘘のようにぐっすり眠れるようになりました」と大変嬉しいお声をいただきました。
3. 耳道内異物の種類:ノギだけじゃない!意外な原因とは?
耳の中に異物が入ってしまうトラブル(耳道内異物)として、一般的に有名なのは草むらなどに生えている「ノギ(植物の芒・尖った種子)」です。しかし、実際にはそれ以外にもさまざまな物が耳の奥に潜み、強い炎症や違和感を引き起こします。
a. 植物片(ノギ・葉っぱなど)
ノギは刺さりやすく抜けにくい構造をしているため警戒されますが、今回のように「2〜3cmほどの普通の葉っぱ」であっても、スタンダードプードルのような耳の大きい子だと入り込んでしまう場合があります。一度奥に入り込んでしまったり、毛に絡まってしまうと、自力で排出することはできません。
b. トリミング後などの「落毛」のへばりつき
最近当院で非常に多くご相談いただくのが、「トリミングの後に急に耳を気にするようになった」「ステロイドなどの消炎剤を使ってもかゆみが治まらない」というケースです。
このようなわんちゃんの耳道をオトスコープで観察すると、耳道自体には大きな炎症がないにもかかわらず、「カットされた抜けた毛(落毛)などの自分の毛が鼓膜にベタリとへばりついている」ことが多々あります。
この落毛が鼓膜を常にチクチクと刺激することで強い違和感が生じますが、消炎剤などの「お薬」では毛を取り除くことはできません。
麻酔下でのオトスコープ洗浄・除去を行うことで、一発で症状が解消します。
4. なぜ従来の診察で見落とされてしまうのか?
犬の耳道は人間と異なり、途中で「L字型」に曲がっています。そのため、垂直耳道の先にある水平耳道、そしてその最深部にある鼓膜周辺は、肉眼や一般的な耳鏡では光が届かず影になってしまいがちです。
💡 見落としのリスクが高まる条件
・耳毛が多い犬種(プードル、シュナウザー、マルチーズなど)
・耳道が深く広い大型犬
・耳垢や炎症による腫れで奥が見えにくくなっている場合
どれだけ優秀な抗生剤やステロイドの点耳薬を使い続けたとしても、「葉っぱ」や「へばりついた毛」といった物理的な異物が存在する限り、根本的に治ることはありません。
5. まとめ:長引く耳トラブルは当院の「見える耳科診療」へ
「長期間お薬を続けているのに外耳炎が治らない」
「トリミングや散歩のあとから、しきりに頭を振ったり耳を気にしている」
「夜も眠れないほど耳をかゆがっている」
もしこのような症状にお心当たりがある場合は、耳道の奥深くに異物や落毛が潜んでいる可能性を疑う必要があります。
おおい動物病院では、ビデオオトスコープを活用し、飼い主様と一緒にモニター画面で耳の中の実際の映像を確認しながら治療を進める「見える耳科診療」を行っております。
「セカンドオピニオンを聞いてみたい」「なかなか治らない耳のトラブルがある」「耳の中を奥まで確認してほしい」という飼い主様は、どうぞお気軽にご相談ください。
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当院の耳科診療について 犬や猫の外耳炎とは?当院での耳科診療の特徴をわかりやすく解説 |
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◆ 執筆:大威優子(副院長 / 獣医学博士) ビデオオトスコープを活用した「見える耳科診療」を行っています。診察室で飼い主様と一緒に耳の中を確認することも可能です。治りにくい耳の症状もお気軽にご相談ください。 |










