お知らせ

2025/10/17

乾燥する季節に気をつけたい!わんちゃんのスキンケアと保湿の基本<寺澤>|一宮市 おおい動物病院

 

こんにちは、トリマーの寺澤です!
暑さがようやく和らぎ、過ごしやすい季節になってきましたね。
これからの時期は、わんちゃんの皮膚の乾燥が気になってくる頃。
今回は、犬の保湿やスキンケアについてお話していきます。



📖 目次



🐾 皮膚の構造

犬や人の皮膚は「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層でできています。
犬の表皮は人の1/3〜1/5ほどの厚みしかなく、刺激や乾燥にとても弱いデリケートな構造です。

シャンプーのやりすぎは乾燥を悪化させ、皮膚のバリア機能の低下かゆみ・炎症を引き起こします。
また、犬の皮膚はアルカリ性のため雑菌が繁殖しやすく、ターンオーバー(新陳代謝)は約2〜3週間で行われます。
間隔が短くなりすぎると「脂漏症」や「膿皮症」といった皮膚疾患を起こしやすくなります。

シャンプーの適正頻度は犬種や皮膚の状態によって異なりますが、目安として月1〜2回がおすすめです。

ひどい脂漏症や膿皮症の時は、週に2回ほどシャンプーする時もありますので、病気の場合はかかりつけの獣医師の指示に従ってくださいね!



🌬 乾燥しやすい部位

犬の皮膚のうち、被毛で覆われていない部分は特に乾燥しやすいといわれています。

  • お腹まわり
  • 首もと
  • 脚の付け根
  • 肉球

お腹は被毛が少なく状態をチェックしやすい部位です。
首もとや脚の付け根などの柔らかい部分、肉球も要注意。
毛で覆われていると、皮膚の状態が見えにくいですが、念入りにチェックしてくださいね!



✨ わんちゃんの乾燥肌の特徴

犬の乾燥肌では、次のような変化が見られます。

  • 被毛の乾燥・パサつき
  • 毛並みの悪化
  • 肌のかさつき・フケ
  • 赤みやかゆみ、ひっかき傷

乾燥が進むとかゆみや炎症を起こし、さらに掻き壊すことで皮膚トラブルが悪化します。
また、「犬アトピー性皮膚炎」「ノミアレルギー性皮膚炎」などの基礎疾患がある子では、特に注意が必要です。



💧 保湿剤の種類と選び方

犬用の保湿剤には、さまざまなタイプがあります。

  • スプレータイプ:広範囲・長毛の子におすすめ
  • 泡タイプ:毛の間にムラなく塗布しやすい
  • クリームタイプ:お腹や脚の付け根など被毛が少ない部位に
  • バームタイプ:肉球や鼻など硬い部位の保護に

犬は嗅覚が敏感なため、無香料タイプが理想的です。
ブラッシングしながら塗布すると浸透しやすく、毛並み改善や毛玉防止にもなります。



🏥 当院で扱っている保湿剤

① N’s drive スキンバリア・ヴィア

N's drive スキンバリア・ヴィア
当院トリミングでも使用している無香料の保湿剤です。身体はもちろん顔周りにも安心して使用できます。
原液〜15倍程度に希釈して毛のみでなくしっかりと皮膚まで行き渡らせるように浸透させて使用します。洗い流し不要で、毎日のスキンケアに使いやすいのが特徴です。

 

② N’s drive リバイオエピ/リバイオエピジェル

N's driveリバイオエピ/リバイオエピジェル
「医療レベルの清潔」を実現した保湿ジェル。銀イオンが配合されており、殺菌・除菌ではなく静菌という仕組みで、常在菌バランスを整えます。
耐性菌を作らず、毎日使用しても安心。皮膚pHを整えて刺激から守ります。
写真右側のジェルタイプは、お腹・脇の下・耳・鼻のしわなどのお手入れにもおすすめです。

 

③ Dermoscent BIO BALM(バイオバーム)

Dermoscent BIO BALM(バイオバーム)
100%オーガニック認定の外用クリーム。
鼻の角化症・肉球のひび割れ・指間炎症などに効果的で、天然成分が皮膚を保護します。
ウォータープルーフで持続性が高く、冬の乾燥対策や夏のアスファルト熱からも肉球を守ります。

特に足裏のガサつきで悩んでいる方からご好評をいただいており、リピーターも多いです。お試しサイズでの販売も行っているので、気になる方はスタッフにお声がけくださいね!



🐕 まとめ

季節の変わり目は、犬の乾燥肌トラブルが増える時期です。
皮膚状態や体質に合った保湿剤を選び、無理のないスキンケア習慣を続けていくことが大切です。

当院では皮膚科診療にも力を入れております。
「保湿剤の選び方がわからない」「皮膚が乾燥してかゆがる」など、お困りの際はお気軽にご相談ください。


IMG_8251.JPG◆執筆:寺澤さくら(トリマー)
イベントで万博記念公園に行った際初めて太陽の塔をみました☀️

2025/10/03

災害時にペットを守るためにできること|一宮市 おおい動物病院 愛玩動物看護師が解説<冨板>

災害時にペットを守るためにできること|一宮市 おおい動物病院 愛玩動物看護師が解説<冨板>

こんにちは、愛知県一宮市 おおい動物病院
愛玩動物看護師の冨板です!

暑さもやわらぎ、すっかり秋ですね。
秋になると気をつけたいのが「台風」です。10月になっても台風シーズンは続くため、油断はできません。

そこで今回は、災害時にペットの命を守るための知識と、今からできる備えをまとめました。
一宮市の避難所情報や、私が実際に用意している「ペット用災害持ち出し品」も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください😊


災害時にペットを守る心構え

日本は地震・台風・大雨・洪水など自然災害の多い国です。
おおい動物病院のある愛知県一宮市も、木曽川の氾濫や南海トラフ地震などのリスクを抱えています。

災害時は人間にとっても大変ですが、自分で身を守れないペットにとってはさらに過酷な状況です。
だからこそ、飼い主が「もしも」に備えておくことがとても大切です。


災害時に飼い主とペットに必要な備え

ペット用防災グッズを用意する

  • フードと水:最低5日分、できれば7日分以上
  • 薬や療法食:持病がある子は必須
  • ワクチン証明書や健康記録
  • ケージやキャリーバッグ(避難所での居場所になります)
  • 首輪・リード(伸びないタイプがおすすめ)
  • トイレ用品(ペットシーツ・処理袋・猫砂など)
  • タオルや毛布(安心できる匂いがついていると落ち着きやすい)

※一度そろえて終わりではなく、定期的に賞味期限やサイズを見直すことが大切です。

日常的なしつけと習慣化

ケージやキャリーに慣れさせておく

災害時、キャリーに入るのを嫌がると避難が遅れてしまいます。
普段から「安心できる場所」として慣れさせておきましょう。

私の愛犬は普段からキャリーを自分の居場所として認識しており、落ち着く場所になっているようです🍀
そのため、動物病院に連れ出す時や外出の際も、スムーズにキャリーに入ってくれています。

キャリーに入って落ち着いている犬

無駄吠えを減らす・基本指示を覚えさせる

避難所では多くの人や動物が集まります。
吠え続けたり走り回ったりするとトラブルの原因になります。
「おすわり」「まて」「おいで」などの基本的なしつけは日頃から行いましょう。

ワクチンや予防を徹底する

避難所では感染症のリスクが高まります。
狂犬病や混合ワクチン、ノミ・ダニ・フィラリアの予防は欠かさないことが重要です。

迷子対策を忘れずに

  • 迷子札を首輪に装着(名前と連絡先を記載)
  • マイクロチップの装着
  • 鑑札や狂犬病注射済票を常に着けておく

一宮市の「同行避難」について

同行避難と同伴避難の違い

同行避難:ペットと一緒に避難所まで避難すること。ただし、人と同じ部屋で過ごせるわけではなく、専用スペースで管理します。
同伴避難:飼い主とペットが同じ部屋で過ごせること。

現在、日本の多くの自治体で推奨されているのは「同行避難」です。

愛知県一宮市の方針

おおい動物病院のある愛知県一宮市では、すべての市立小中学校が「同行避難可能な避難所」として指定されています。
つまり、市内で災害が発生した場合、原則としてどの小中学校でもペットと一緒に避難することが可能です。

ただし、ペットは人と同じ室内で過ごせるわけではありません。
校庭や体育館の一部など、あらかじめ決められた専用スペースでケージやキャリーに入れて管理することになります。

この仕組みは「ペットを置いていけない」という飼い主の気持ちを尊重しつつ、
避難者全員の安全や衛生を守るための折衷案といえます。

同行避難のメリット

  • 飼い主と離れないためペットの不安が軽減
  • 飼い主自身も安心できる
  • 飼い主が世話をできるため周囲への負担が少ない

避難生活でのペットケア

食事と水の管理

避難所では人の支援物資が優先されるため、ペット用のフードや水は基本的に支給されません
そのため飼い主が持参したものを大切に管理する必要があります。

  • ドライフードは小分けにしてジップ袋に入れておくと便利
  • 水はペットボトルで数本持参する
  • 缶詰は匂いが強いため避難所では不向きな場合もあるので注意

「いつものごはん」が避難所生活のストレスを和らげる大きな助けになります!

避難所で実際に役立つ工夫

避難所に入ってから困らないために、次のような工夫が役立ちます。

  • におい対策: 消臭スプレーやペットシーツを多めに準備。排泄物はすぐ処理し、密閉袋に入れて保管。
  • 鳴き声対策: おもちゃやガム、猫にはフェロモン製品(例:フェリウェイ)で安心感を与える。
  • 寒さ・暑さ対策: 夏は保冷剤や扇風機、冬は毛布やペット用ホッカイロ。体育館は気温差が大きいため要注意。
  • 他の動物との接触回避: ケージに布をかけて視界を遮るだけでも落ち着きやすい。

こうした工夫があるかないかで、避難生活の快適さは大きく変わります

同行避難で気を付けるべきこと

  • ケージやキャリーに必ず入れること
  • リードは伸縮しないものを使用すること
  • 鳴き声やにおいなどで他の避難者に不快感を与えないよう配慮すること
  • フードやトイレ用品など、ペットの生活に必要なものは必ず飼い主が持参すること

こうした基本的なルールを守ることで、
「ペットの避難を認めてよかった」と他の避難者にも思ってもらえます。
これは今後のペット防災を広めるうえでとても大切なことです。


愛玩動物看護師が紹介!ペット用災害持ち出し品

私が普段から備えている持ち出し品を紹介します。

ペット用災害持ち出しリュックの中身の例

  • 食料と水(数日分)
  • ペットシーツ
  • 愛犬が安心できるタオルケット
  • 犬用おむつ、ウェットティッシュなどの衛生用品
  • リュック型のペットキャリー(いざという時に背負えるので便利!)

災害用リュック型のペットキャリーに入って落ち着いている犬

いざという時にスムーズに避難できるよう、日常的にチェックすることが大切です。


まとめ|日常の小さな備えが命を守る

ペット防災は「特別なこと」ではなく、日常の延長にあります。
キャリーに慣れさせる、フードを少し多めに買う、迷子札をつける――こうした小さな準備が、大切な命を守ります。

一宮市ではペットと一緒に避難できる仕組みがありますが、安心して生活するためには飼い主の準備とマナーが不可欠です。

大切な家族の命を守るために、今日から少しずつ備えを始めてみませんか?

 

image1-1.jpeg◆執筆:冨板 くるみ(愛玩動物看護師)

最近は自然巡りにハマっています🍀

渓谷や滝など、オススメスポットがあれば教えてください🎶

 

2025/09/19

猫風邪予防に効果あり?バイラリスプラスを試してみました!〈平山〉|一宮市 おおい動物病院

猫風邪予防に効果あり?バイラリスプラスを試してみました!〈平山〉

こんにちは!愛知県一宮市、おおい動物病院のトリマーの平山です!

9月ももう半分が過ぎ、暦の上ではとっくに秋になっているはずなのですがまだまだ暑い日が続いていますね😑💦
ですが日が落ちるのも少し早くなり、夜は涼しいな〜と感じる日が増えてきたように思います🌙

そんな季節の変わり目や、雨が続いた後などに我が家の猫のわらびはいつも猫風邪をひいてしまいます🥲

おおよそ2ヶ月に1回は、
目がしょぼしょぼ→涙・目やにが出る→目を開けられなくなる→その度に点眼薬を処方していただきさすけれどなかなか治らない…
の流れを繰り返しているわらび。
辛そうにしている姿を見ていて、どうにかしてあげられないかと思っていました。

そんな時、副院長の大威優子獣医師に
「バイラリスプラス」というサプリメントの存在を教えていただきました!

IMG_7897.JPG


(以下引用です)
《概要》
猫の目と呼吸器の健康維持に
バイラリスプラスは、猫の目と呼吸器の健康維持のためにデザインされた嗜好性の高いサプリメントです。
当製品は、必須アミノ酸の1つで、からだを構成するタンパク質の組み立てに必要不可欠な栄養素である「L-リジン」を含みます。
ペーストタイプのサプリメントですので、気軽に愛猫に与えられます。

《特徴》
1.L-リジン塩酸塩250mg/mLを配合
2.ペースト状だから手にとってそのままあげられます。フードに混ぜてもOK
3.猫が食べやすい 「魚風味」(まぐろ風味)
4.オメガ3配合
5.かんたん便利なプッシュノズル採用。キャップもついていて管理もラク
6.安心・安全のGMP認定工場で製造された製品


IMG_7898.JPG

外蓋を開けると、このような作りになっています!
上部を押すだけで出るので、手を汚すことなく与えられます✨
ノズルのキャップも無くならないよう本体と繋がっているので安心です!
(母は間違えて繋がっている部分をハサミで切ってしまいましたが、切り離してしまってもキャップがしっかりノズルにはまるので問題ありませんでした笑)

1回の給与量はわらびの体重(5-10kg)だと、付属のスプーンすり切り2杯を1日2回と書いてありましたが、私は今のところ1日2回1プッシュで与えてみています!

IMG_7899.JPG

ご飯もオヤツもなんでも食べるわらびなので食べてくれるかどうかはあまり心配していませんでしたが、まぐろ風味のおかげか抵抗なく食べてくれて良かったです👍🏻🌟

IMG_7350.jpg
体調を全く崩さない無敵のよもぎ👏🏻🌿

さて、6月に初めて購入してから今までずっと与え続けていますが、結論から言うと個人的には"効果あり"だと思います!!

つい先日もわらびの猫風邪のような症状が始まり悪化もしていたのですが、いつもよりも早い日数で治ったように感じました😳!

毎回正式な日数を数えているわけではないのではっきりとしたことは言えませんが、家族もいつもより治るのが早い気がする!と言っていたので、そうなのだと思います🌟

また、同居猫のつくしもわらびほど頻度は高くありませんがたまに同じように目をしょぼしょぼさせるのでその時にバイラリスプラスをご飯と混ぜてしばらく与えていた結果、なんと悪化することなく症状が治まりました…!
たまたまなのかもしれませんが、私含め家族はやっぱり効果あるじゃん!となっておりました😌


効果が感じられたのもあり、これからもバイラリスプラスを与え続けていこうと思っております🫶🏻✨

当院でも取り扱いを開始するそうなので、皆様もバイラリスプラスが気になりましたら従業員・獣医師にお気軽にお声かけくださいね☺️



IMG_7900.JPG◆執筆:平山桃瑚<トリマー>
今年は夏は海・山・川・滝・島などに行き、自然を大満喫することができました☀️🧡
お祭りにも今年もお気に入りの浴衣を着て行けて良かったです💜

2025/09/15

小型犬に多い「乳歯遺残」とは?放置するとどうなる?抜歯が必要なケース|一宮市 おおい動物病院【歯科に強い】

小型犬に多い「乳歯遺残」とは?放置するとどうなる?抜歯が必要なケース|一宮市 おおい動物病院【歯科に強い】

こんにちは、愛知県一宮市のおおい動物病院の院長、大威政洋です。
日本ではトイプードルやチワワといった小型犬種が人気です。
これらの小型犬に多い「乳歯遺残(にゅうしいざん)」をご存知でしょうか?

 

犬の歯は、人と同じように「乳歯」から「永久歯」へと生え変わります。
しかし、小型犬では乳歯が抜けずに残ってしまう「乳歯遺残」がよく見られます。
乳歯遺残を放置すると、歯並びの悪化や歯周病の原因になることもあり、注意が必要です。
今回は、犬の乳歯遺残について詳しく解説します。

 

小型犬の乳歯遺残とは(正常な歯の生え変わりとの違い)

犬は生後3週間頃から乳歯が生え始め、生後6〜7か月頃までに永久歯へ生え変わります。
通常は乳歯が抜けてから永久歯が生えてきますが、乳歯が抜けずに残ったまま永久歯が生えてくることを「乳歯遺残」と呼びます。
その結果、同じ場所に乳歯と永久歯が二重に並んで生えてしまうことがあります。
2週間以上、永久歯と乳歯が並んで生えていると、「乳歯遺残」と診断できます。

小型犬に多い「乳歯遺残」とは?放置するとどうなる?抜歯が必要なケース|一宮市 おおい動物病院【歯科に強い】

 

小型犬で乳歯遺残が多い理由(チワワ・トイプードルなど)

乳歯遺残は特に小型犬に多く見られる傾向があります。
チワワ、トイプードル、ヨークシャーテリア、ポメラニアンなどの犬種は、あごの骨が小さく、歯の生え変わりのスペースが狭いため、乳歯が自然に抜け落ちにくいのです。
また、遺伝的な要因も関係していると考えられています。

 

放置するとどうなる?歯並び・歯周病へのリスク

乳歯遺残を放置すると、永久歯が正しい位置に生えられず、歯並びが悪くなります。
その結果、歯と歯の間に歯垢や歯石がたまりやすくなり、歯周病のリスクが高まります。
また、噛み合わせが悪くなり、あごや歯に負担がかかってしまうこともあります。

 

抜歯が必要なケースとタイミング

生後6〜7か月を過ぎても乳歯が残っている場合は、抜歯を検討する必要があります。
特に、永久歯がすでに生えてきて二重に並んでいる場合は、自然に抜ける可能性は低く、そのままにしておくと歯列不正や歯周病の原因になります。
通常は去勢・避妊手術などの麻酔処置と合わせて乳歯の抜歯を行うことが多いです。

 

ご家庭でできるチェックポイント

  • 乳歯と永久歯が二重に並んでいないか確認する
  • 下の犬歯(特に乳犬歯)が残っていないか注意する
  • 口臭や歯石がつきやすくなっていないかチェックする
  • 食べ方がぎこちない、噛みにくそうにしていないか観察する

気になる点があれば、早めに動物病院で診察を受けることをおすすめします。

 

当院の歯科診療について

当院では、歯科診療にも力を入れており、小型犬の乳歯遺残や歯周病の治療に対応しています。
乳歯遺残は「ただの生え変わりの問題」と思われがちですが、放置すると大きなトラブルにつながることも少なくありません。
歯の健康は全身の健康にも直結しますので、お気軽にご相談ください。

IMG_7908.jpg
抜歯後

IMG_7907.jpg
抜歯した乳歯

 

まとめ(早期発見・早期治療の大切さ)

乳歯遺残は小型犬に多く見られる歯のトラブルで、放置すると歯並びの乱れや歯周病につながります。
生後6〜7か月を過ぎても乳歯が残っている場合は、動物病院での相談が必要です。
当院では歯科診療にも力を入れ、乳歯遺残の抜歯や歯のケアを行っています。
大切な愛犬の健康のために、歯のチェックを習慣にしていきましょう。

▶ 関連記事:
セカンドオピニオンのご案内|一宮市 おおい動物病院
犬・猫の歯周病、麻酔下での歯石取りについて

 

IMG_7956.jpg◆執筆:大威政洋(おおい動物病院院長)
名古屋の金魚展に行ってから、金魚を飼い始めました。
今まで待合室の水槽でいろんな魚を飼っていましたが、金魚が一番反応がいいです。

2025/09/13

犬・猫の外耳炎について|一宮市 おおい動物病院【耳科に強い動物病院】

こんにちは、愛知県一宮市のおおい動物病院の副院長、大威優子です。
今回は犬猫に多い外耳炎のお話です。

 

犬や猫の診療の中でも、外耳炎は非常に多い病気のひとつです。
特に犬では、約5頭に1頭が生涯のどこかで外耳炎を経験するといわれています。
実際、アニコムに保険請求した診察内容を診療科ごとにみてみると、犬では皮膚科が一番多いんです。
(不思議なことに、犬猫では耳科は皮膚科に含まれます。人間だと皮膚科と耳鼻咽頭科に分かれているのに変ですよね……)

 

かゆみや耳を振る仕草、耳のにおいや赤みなどが見られたときは、外耳炎のサインかもしれません。
軽い症状に見えても、放置すると慢性化したり、中耳炎・内耳炎へと進行してしまう可能性があります。
今回は、犬・猫の外耳炎についてわかりやすくご説明します。

 

外耳炎の原因はさまざまです

外耳炎は「耳が汚れただけ」「細菌が増えただけ」と思われがちですが、実際には原因が複数あります。

  • 細菌や真菌(カビ)の感染
  • 耳ダニなどの寄生虫
  • アトピーや食物アレルギーなどの体質
  • 外耳道の形(垂れ耳や耳道が狭い犬種)
  • ポリープや腫瘍など耳の構造的な異常

 

一般的な診療の限界

多くの動物病院では耳鏡を用いて耳の入り口付近を観察します。しかし外耳炎は耳の奥で炎症が起きていることも多く、従来の方法では十分に確認できない場合があります。
そのため「点耳薬を使って様子を見ましょう」となることもありますが、奥に膿や異物が残っている場合には改善が見られず、慢性化することもあります。

また、犬や猫の耳の構造は、人間の耳より入り組んでいます。

犬の耳の模型|一宮市 おおい動物病院
こちらは、犬の耳の模型です。(猫も折れ曲がっている点は大体同じです。)
人間の耳は、耳道が横に一直線に伸びているで、手持ち耳鏡でも鼓膜まで観察が可能です。
しかし、犬や猫の耳は途中で垂直に折れ曲がっているため、手持ち耳鏡で入り口まで覗いただけでは、なかなか鼓膜までは観察ができません。
(調子のいいダックスフンドでは鼓膜まで見えることがありますが、そもそも手持ち耳鏡では明るさが足りないので、見えたとしても鼓膜に小さな穴が空いている、などはわかりません)

 

当院の特徴:耳内視鏡(ビデオオトスコープ)による精密な診断

おおい動物病院では、ドイツ・ストルツ社製の耳内視鏡(ビデオオトスコープ)を導入しています。
一宮市では導入している病院が少なく、耳科診療に強みを持つ当院ならではの特徴です。

ストルツ社の耳内視鏡の写真|一宮市 おおい動物病院
耳の奥の状態を映像で直接確認できるため、炎症や膿、異物、ポリープの有無を正確に把握できます。
また、映像を飼い主さまと一緒に確認できるため、治療の方針をわかりやすくご説明できます。
さらに、必要に応じて細菌培養検査やアレルギー検査を組み合わせ、外耳炎の原因を突き止めた上で最適な治療をご提案しています。

 

当院に導入したストルツ社製耳内視鏡については、以下の記事でも詳しく紹介しています。
耳内視鏡導入のお知らせ

 

また、アニマルックという簡易型の耳内視鏡もありますので、日常の耳診察ではこちらを使用しています。
簡易モデルですので画質や光量はストルツ社製の耳内視鏡に劣りますが、診察室で鼓膜の確認が可能です。
こちらの簡易型耳内視鏡で問題が見つかった場合は、全身麻酔下での耳内視鏡処置をお勧めしています。

 

外耳炎を放置するとどうなる?

外耳炎を放置すると、外耳道の皮膚が厚くなり耳の穴が塞がってしまうことがあります。その結果、薬が奥まで届かず、治療がより難しくなります。
また炎症が中耳や内耳に広がると、平衡感覚の異常や神経症状を引き起こすこともあり、重症例では外科手術(耳道切除)が必要になることもあります。

 

犬の外耳炎の原因は8割以上がアレルギー(食べ物・環境由来)という報告もあります。
例えば花粉症の人が花粉症を「治す」ことは難しいのと同様に、犬の外耳炎を「根治する」ことは難しく、それゆえ再発率の高い病気です。
当院では、まず原因疾患を調べる(アレルゲンを探す)、再発防止のために最適な治療をそれぞれに合わせて探していく、ということを大切にしています。
「一生お付き合い」が必要な病気だからこそ、体の負担や家族の負担を最低限にできるよう、日々勉強を続けています。

 

まとめ

外耳炎は犬や猫にとても多い病気ですが、原因は多岐にわたり、繰り返しやすい厄介な病気でもあります。だからこそ、正しい診断と適切な治療が欠かせません。
当院では耳内視鏡を用いた精密な診断と治療を行い、飼い主さまと一緒に改善を目指しています。
耳をかゆがる、頭を振る、耳からにおいがするなどの症状が見られたら、早めに一宮市のおおい動物病院にご相談ください。

▶ 関連記事:耳内視鏡導入のお知らせ

 

IMG_6226.jpg◆執筆:大威優子(おおい動物病院副院長・獣医学博士)
はじめは皮膚科に興味があり勉強を始めましたが、今では毎日耳のことばかり考えています。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 ...