お知らせ

2024/12/27

<獣医師監修>犬、猫のワクチン接種について愛玩動物看護師が解説します(増田)

こんにちは!
おおい動物病院の愛玩動物看護師、増田です。

いよいよ2024年も終わりに近づいてきましたね!

今年最後のブログは犬と猫のワクチネーショションプログラムについてお話しようと思います💉✨

初めてペットを迎える方はもちろん、ずっとペットを飼育している方にとっても「うちの子はワクチンって何を打ってたっけ?次はいつだっけ?」と曖昧になっている事も多いかと思います。

ここでは幼齢期の接種から大人になってからの接種間隔まで詳しく解説していきますので、改めて確認しておきましょう!

 

 

目次
1.子犬、子猫のワクチン接種
2.ワクチンの種類
3.大人になってからのワクチンと抗体価検査
4.抗体価検査の注意点

5.まとめ
 

 
1.子犬・子猫のワクチン接種

 

まず最初に子犬、子猫をお家に迎えた際に、どのくらいでワクチンを打ちに病院へ行ったら良いかというところからお話します。

WASAVA (世界小動物獣医師協会World Small Animal Veterinary Association)という団体のガイドラインによると、犬猫ともに生後8週目から接種を開始し、これを約3〜4週間毎に追加接種を行うとなっています。
そして、生後16週齢以降に最終接種を終えると幼齢時期のワクチンは終了となります。

これを見ると産まれてから8週間は何もしなくて大丈夫なのかな?と心配になりますよね。
これにはちゃんと理由があります!

実は産まれたばかりの赤ちゃん達はお母さんの母乳から貰える「移行抗体」という免疫で守られています。
逆に言うと、この移行抗体があるせいでこの時期にワクチンを打っても無駄になってしまうんですね。
そしてこの移行抗体が切れる時期は個体それぞれで異なってきますが、どの子でもだいたい生後16週以降では無くなってしまうだろうという事から最終接種の時期も16週齢以降となっている訳です。

つまり、ペットショップからお迎えした子達は動物愛護法の8週齢規制により、1回目の接種は済んでいる事が多いので、2回目のワクチンから開始する事になります。
ショップで最後にワクチンを打った時期を確認し、その1ヶ月後に2回目、さらにその1ヶ月後に3回目を接種し、子犬、子猫時期の接種は終了となります。
 

 
2.ワクチンの種類

 

当院で打てるワクチンは犬は5種ワクチンと7種ワクチン、猫は3種ワクチンと種類があります。


まず犬の5種ワクチンは
・犬ジステンパー
・犬伝染性肝炎
・犬アデノウイルス
・犬パラインフルエンザ
・犬パルボウイルス
の5つの病気に対するワクチンが入っています。

これはコアワクチンと呼ばれ、どの子も最低限打った方が良いとされています。

そして7種類ワクチンは上記にレプトスピラという病気のカニコーラ型とイクテロヘモラジー型の2つを加えた7つの病気が予防できます。

レプトスピラは既にレプトスピラにかかっている犬やネズミの尿が感染源になるので、生活環境内にネズミが出る場合や頻繁にドッグランなどへ行き、不特定多数の犬と触れ合う方は7種ワクチンを選んで頂くと良いかと思います✨

猫ちゃんのワクチンは
・猫ウイルス性鼻気管炎
・猫カリシウイルス感染症
・猫汎白血球減少症
の3つが予防できます!
 

 
3.大人になってからのワクチンと抗体価検査
 

幼齢期の最終接種が終わった後は1年毎の追加接種になります。
毎年同じくらいの時期にその年の生活環境に応じたワクチンを接種しましょう!

そして、大人になってからはワクチンを打つ他に「抗体価検査」という選択肢が増えます。
これは採血をして、その血で去年打ったワクチンがまだ身体の中で効いているかの確認ができるという検査です。


これまでワクチンは毎年接種するものとされてきましたが、ワクチンの効果は基本的に生涯に渡って持続することがわかってきました。

ワクチンを打つと少なからず副作用のリスクがありますが、これなら少量の血を採るだけなのでその心配もありません😊
結果も30分程度と比較的早く出ます。

ただし、抗体価検査をするにはいくつか条件があります。
まず、幼齢期のワクチンが終わった後、最初の1年後の接種時期にはブースター接種と言ってワクチンの効果を持続させるために追加接種を行う必要があります。
なので抗体価検査をするのは2歳以降からということになります。

次に、7種ワクチンを打っている方は先述したレプトスピラに関してはワクチンの効果が1年しか保たないとされている為、毎年ワクチン接種が必要になるという事です。
そして5種を打っている方も3年に一度は接種が推奨されているので、2年連続で抗体価検査をした翌年はワクチンを接種しましょう。

最後に猫ちゃんの抗体価検査についてです。
猫ちゃんのワクチンも基本的には犬と同じで3年に一度の接種で良いとされています。
なので抗体価検査は可能ですが、お外に出る子や猫を2頭以上飼育されている方は感染リスクが高いという事から毎年接種をオススメしています。
 

 
4.抗体価検査の注意点
 

抗体価検査はワクチンの副反応の心配がない事がメリットとお伝えしましたが、一点だけ注意事項があります。
それは証明書の発行です。
ワクチンを接種した時と同じく、抗体価検査でも証明書を発行しておりますが、抗体価検査はまだ認知度が低く、施設によっては利用するにあたって抗体価検査の証明書ではダメだと言われる場合があります。
施設から当院へ確認のお電話を頂ければ同じ効力のあるものだとご説明することもできますが、受理されない場合もあるので、一度普段ご利用のドッグランやサロンなどに確認してみると良いでしょう。
 

 
5.まとめ

 

ワクチンは選択肢や種類が多くて何をいつ接種すれば良いか把握しておくのが難しく感じるかもしれません。
しかし、ペットの健康を守る為にワクチンは非常に重要な役割を果たします。
健康チェックを兼ねて定期的に病院へお越し頂き、ワクチンの時期もしっかり意識しておきましょう!
 

 
image0-1.jpeg◆執筆:増田晴佳(愛玩動物看護師)
この年末は岐阜の実家へ帰ってゆっくり過ごします😊
皆さんも体調に気をつけて愛犬、愛猫たちと素敵な年の瀬をお過ごしください。
では良いお年を!

 

IMG_8348.jpg◆監修:大威優子(副院長・獣医学博士)

おかげさまで2024年もたくさんの方にご来院いただくことができました。ありがとうございました!

今年からわんちゃんの爪切り・肛門腺しぼりが定額プラン加入者は無料になったので、毎月いらしてくださるわんちゃんが増えたのが嬉しかったです。わんちゃん・ねこちゃんの、健康でつやつやぴかぴかしている普段の姿もぜひ見せに来てくださいね!

2025年も、おおい動物病院をどうぞよろしくお願いいたします。

2024/12/13

わんちゃん・ねこちゃんの平均寿命と最高齢は?<寺澤さくら>

わんちゃん・ねこちゃんの平均寿命と最高齢は?<寺澤さくら>

こんにちは、トリマーの寺澤です!

トップ画は一気に寒くなったのでストーブを点けるようにしたら、一目散にストーブの前を陣取る愛犬の「のあ」🐶

私はそんなのあと毎朝ストーブ前を取り合っています🔥笑

 

さて今回は最近、動画サイトでシニアのわんちゃんやねこちゃんが流れてくることが多く、最高齢の子はいくつなのかが気になったので、ギネス世界記録に登録されている最高齢のわんちゃんとねこちゃんについて調べてみました!

 

目次

1.わんちゃん、ねこちゃんの平均寿命は?

2.小型犬より大型犬の方が短命な理由は?

①成長スピードが早い

②臓器の大きさ

③遺伝子的要因

3.わんちゃん、ねこちゃんの最高齢は何歳?

4.まとめ

 

 

1.わんちゃん、ねこちゃんの平均寿命は?

 

そもそも、わんちゃんやねこちゃんの平均寿命はいくつくらいなのでしょう?


一般社団法人ペットフード協会が発表した「令和5年 全国犬猫飼育実績調査」による2023年の平均寿命を調べてみました!

 

・犬 

犬全体:14.62歳

超小型犬:15.07歳

小型犬:14.29歳

中・大型犬:13.86歳

 

・猫 

猫全体:15.79歳

外に出ない:16.25歳

外に出る:14.18歳

 

ちなみに、2010年の平均寿命と比較すると、

犬13.87歳(2023年比+0.75 )

猫14.36歳(2023年比+1.13)と

犬・猫ともに平均寿命が伸びていることが分かります。

 

平均寿命が伸びた原因としては、獣医学の発展や室内飼育が増えたことなどが考えられます。

ねこちゃんに関しては、外に出る子や放し飼いの猫は屋外で過ごすため交通事故や感染症などで亡くなることが多く、完全に室内飼いされている猫と比べて平均寿命が短めになると考えられます。

わんちゃんは、小型犬の方が大型犬より寿命が長いです。 

  

 

2.小型犬より大型犬の方が短命な理由は?

 

小型犬より大型犬の方が短命な理由として3つあげられます。

 

①成長スピードが早い

1つ目の理由は、大型犬のほうが成長スピードが早いということ。

人の年齢に換算してみてると大型犬は1才で人の12歳くらいの年齢に相当すると考えられています。

1才からは成長スピードがやや緩やかになり、1才以降の大型犬の人年齢は下記のように算出できます。

  

【大型犬の計算方法】

12+(犬の年齢ー1)✕7=「大型犬の人年齢」

  

続いて、小型犬です。小型犬が1才になると人の17歳くらいに相当するといわれています。こちらも1才からは成長スピードが少し落ちる傾向にあり、人年齡は下記のように算出できます。

 

【小型犬の計算方法】

(犬の年齢+4)✕4=「小型犬の人年齢」

 

一見大型犬より小型犬の方が人年齢が高いように見えますが、1歳以降の算出の仕方が違うため、犬全体の平均寿命の14歳でも小型犬では72歳のところ大型犬では103歳と大幅に変わってきます。

また、算出していく中で4才を過ぎた段階で大型犬のほうが「人年齢」が少しずつ高くなります。

つまり、大型犬は小型犬よりも”成長スピードが早い”ということになります。

まだはっきりとは解明されていませんが、大型犬は大きな体を維持するために、小型犬よりも多く細胞分裂していることが関係しているのではないかと考えられています。

細胞分裂の回数が増えるとガン細胞の発生率も高くなり、そのことも大型犬のほうが寿命が短いとされる理由でもあるそうです。

  

②臓器の大きさ

大型犬と小型犬を比較してみると、体の大きさに比べて心臓などの臓器が小さいことがわかっています。これにより日常的に各臓器に負担がかかるため老化のスピードが早くなると言われています。

  

③遺伝子的要因

犬の体の大きさは、「IGF-1遺伝子」による「IGF-1因子(=成長ホルモンの一種)」が決定しているという説があります。

この「IGF-1因子」の分泌が多いほど体が大きくなり短命になる傾向があり、体の大きな大型犬はこの「IGF-1因子」の分泌が多く、短命になる可能性があるそうです。

  

個体差や獣医療の発達、犬の健康に配慮したフードも開発されているため、今後も飼育環境が改善し続ければ平均寿命は伸びていくかも知れませんが、これらの3つの理由から小型犬より大型犬の方が短命なのではないかと考えられます。

 

 

3.わんちゃん、ねこちゃんの最高齢は何歳?

 

2023年2月世界で最も長生きした犬として30歳のポルトガルの「ボビ」(犬種:ラフェイロ・ド・アレンティジョ)がギネス記録に認定されました。

ボビは、2023年5月に31歳の誕生日を迎え、同年10月に31歳165日と記録を残し亡くなりましたが、年齢を裏付ける証拠が不十分だと判断し2024年2月に認定取り消されました。
ラフェイロ・ド・アレンティジョという犬種名を聞いたことがなかったので調べてみたところ、ポルトガル原産で、マスティフ系の大型犬でした!

大型犬が30歳まで生きてくれると嬉しいですよね。

 

現在、ギネスに登録されている世界で最も長生きした犬は、オーストラリアのビクトリア州で暮らしていたオーストラリアン・キャトル・ドッグのBluey(ブルーイ)です。

1910年に家族に迎えられ、約20年間も牧牛犬として過ごし1939年11月14日、29才と5ヶ月で最期を迎えました。

この公式記録は、それから90年が経とうとする今でも塗り替えられていません。

 

ギネス世界記録に登録されている最長寿の猫は、Creme Puff(クリーム・パフ)という名前のメス猫で、38才と3日生きました。

人間の年齢で換算すると約170歳になります。

これは、新紙幣に採用された北里柴三郎や、セオドア・ルーズベルト アメリカ合衆国第26代大統領が、2024年現在まだ生きているようなものです。

驚きですよね!

 

 

4.まとめ

 

いかがでしたか?

わんちゃんやねこちゃんの平均寿命が昔に比べて伸びていることを数字で見るのは初めてだったので驚きました!

人間と同様、わんちゃんやねこちゃんの老化を止めることはできません。

ただし、日頃から健康状態をチェックしたり、食事や運動の管理をしたり、サプリを飲ませたりすることで、老化のスピードをゆるやかにすることはできます。

 

また、身体の機能が低下する高齢期には、病気の早期発見・早期治療がより重要になります。

わんちゃんやねこちゃんたちと一日でも長く過ごすため、定期的に健康診断を受けることをおすすめします。

私も、のあと一日でも長く一緒に居られるように少しの変化も見逃さない、過ごしやすい環境を整えるなど、幸せに暮らしていける方法を飼い主として探求していきたいと思います。

 

 

IMG_6784.jpeg◆執筆:寺澤さくら(トリマー)
10月に親友とディズニーに行ってきました!!
今年オープンした新エリアに行けてとても嬉しかったです😻

 

 

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