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2025/10/03

災害時にペットを守るためにできること|一宮市 おおい動物病院 愛玩動物看護師が解説<冨板>

災害時にペットを守るためにできること|一宮市 おおい動物病院 愛玩動物看護師が解説<冨板>

こんにちは、愛知県一宮市 おおい動物病院
愛玩動物看護師の冨板です!

暑さもやわらぎ、すっかり秋ですね。
秋になると気をつけたいのが「台風」です。10月になっても台風シーズンは続くため、油断はできません。

そこで今回は、災害時にペットの命を守るための知識と、今からできる備えをまとめました。
一宮市の避難所情報や、私が実際に用意している「ペット用災害持ち出し品」も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください😊


災害時にペットを守る心構え

日本は地震・台風・大雨・洪水など自然災害の多い国です。
おおい動物病院のある愛知県一宮市も、木曽川の氾濫や南海トラフ地震などのリスクを抱えています。

災害時は人間にとっても大変ですが、自分で身を守れないペットにとってはさらに過酷な状況です。
だからこそ、飼い主が「もしも」に備えておくことがとても大切です。


災害時に飼い主とペットに必要な備え

ペット用防災グッズを用意する

  • フードと水:最低5日分、できれば7日分以上
  • 薬や療法食:持病がある子は必須
  • ワクチン証明書や健康記録
  • ケージやキャリーバッグ(避難所での居場所になります)
  • 首輪・リード(伸びないタイプがおすすめ)
  • トイレ用品(ペットシーツ・処理袋・猫砂など)
  • タオルや毛布(安心できる匂いがついていると落ち着きやすい)

※一度そろえて終わりではなく、定期的に賞味期限やサイズを見直すことが大切です。

日常的なしつけと習慣化

ケージやキャリーに慣れさせておく

災害時、キャリーに入るのを嫌がると避難が遅れてしまいます。
普段から「安心できる場所」として慣れさせておきましょう。

私の愛犬は普段からキャリーを自分の居場所として認識しており、落ち着く場所になっているようです🍀
そのため、動物病院に連れ出す時や外出の際も、スムーズにキャリーに入ってくれています。

キャリーに入って落ち着いている犬

無駄吠えを減らす・基本指示を覚えさせる

避難所では多くの人や動物が集まります。
吠え続けたり走り回ったりするとトラブルの原因になります。
「おすわり」「まて」「おいで」などの基本的なしつけは日頃から行いましょう。

ワクチンや予防を徹底する

避難所では感染症のリスクが高まります。
狂犬病や混合ワクチン、ノミ・ダニ・フィラリアの予防は欠かさないことが重要です。

迷子対策を忘れずに

  • 迷子札を首輪に装着(名前と連絡先を記載)
  • マイクロチップの装着
  • 鑑札や狂犬病注射済票を常に着けておく

一宮市の「同行避難」について

同行避難と同伴避難の違い

同行避難:ペットと一緒に避難所まで避難すること。ただし、人と同じ部屋で過ごせるわけではなく、専用スペースで管理します。
同伴避難:飼い主とペットが同じ部屋で過ごせること。

現在、日本の多くの自治体で推奨されているのは「同行避難」です。

愛知県一宮市の方針

おおい動物病院のある愛知県一宮市では、すべての市立小中学校が「同行避難可能な避難所」として指定されています。
つまり、市内で災害が発生した場合、原則としてどの小中学校でもペットと一緒に避難することが可能です。

ただし、ペットは人と同じ室内で過ごせるわけではありません。
校庭や体育館の一部など、あらかじめ決められた専用スペースでケージやキャリーに入れて管理することになります。

この仕組みは「ペットを置いていけない」という飼い主の気持ちを尊重しつつ、
避難者全員の安全や衛生を守るための折衷案といえます。

同行避難のメリット

  • 飼い主と離れないためペットの不安が軽減
  • 飼い主自身も安心できる
  • 飼い主が世話をできるため周囲への負担が少ない

避難生活でのペットケア

食事と水の管理

避難所では人の支援物資が優先されるため、ペット用のフードや水は基本的に支給されません
そのため飼い主が持参したものを大切に管理する必要があります。

  • ドライフードは小分けにしてジップ袋に入れておくと便利
  • 水はペットボトルで数本持参する
  • 缶詰は匂いが強いため避難所では不向きな場合もあるので注意

「いつものごはん」が避難所生活のストレスを和らげる大きな助けになります!

避難所で実際に役立つ工夫

避難所に入ってから困らないために、次のような工夫が役立ちます。

  • におい対策: 消臭スプレーやペットシーツを多めに準備。排泄物はすぐ処理し、密閉袋に入れて保管。
  • 鳴き声対策: おもちゃやガム、猫にはフェロモン製品(例:フェリウェイ)で安心感を与える。
  • 寒さ・暑さ対策: 夏は保冷剤や扇風機、冬は毛布やペット用ホッカイロ。体育館は気温差が大きいため要注意。
  • 他の動物との接触回避: ケージに布をかけて視界を遮るだけでも落ち着きやすい。

こうした工夫があるかないかで、避難生活の快適さは大きく変わります

同行避難で気を付けるべきこと

  • ケージやキャリーに必ず入れること
  • リードは伸縮しないものを使用すること
  • 鳴き声やにおいなどで他の避難者に不快感を与えないよう配慮すること
  • フードやトイレ用品など、ペットの生活に必要なものは必ず飼い主が持参すること

こうした基本的なルールを守ることで、
「ペットの避難を認めてよかった」と他の避難者にも思ってもらえます。
これは今後のペット防災を広めるうえでとても大切なことです。


愛玩動物看護師が紹介!ペット用災害持ち出し品

私が普段から備えている持ち出し品を紹介します。

ペット用災害持ち出しリュックの中身の例

  • 食料と水(数日分)
  • ペットシーツ
  • 愛犬が安心できるタオルケット
  • 犬用おむつ、ウェットティッシュなどの衛生用品
  • リュック型のペットキャリー(いざという時に背負えるので便利!)

災害用リュック型のペットキャリーに入って落ち着いている犬

いざという時にスムーズに避難できるよう、日常的にチェックすることが大切です。


まとめ|日常の小さな備えが命を守る

ペット防災は「特別なこと」ではなく、日常の延長にあります。
キャリーに慣れさせる、フードを少し多めに買う、迷子札をつける――こうした小さな準備が、大切な命を守ります。

一宮市ではペットと一緒に避難できる仕組みがありますが、安心して生活するためには飼い主の準備とマナーが不可欠です。

大切な家族の命を守るために、今日から少しずつ備えを始めてみませんか?

 

image1-1.jpeg◆執筆:冨板 くるみ(愛玩動物看護師)

最近は自然巡りにハマっています🍀

渓谷や滝など、オススメスポットがあれば教えてください🎶

 

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