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2024/02/26
今話題の犬猫用サプリ、CBCオイルについて獣医師が詳しく解説します!<院長> 2024.11追記あり
2024.11追記
2024年12月12日から厚生労働省による大麻取締法の改正に伴い、本コラムで紹介されている製品の販売は終了しました。
2024.11現在、当院ではCBD製品の販売をしておりません。
こんにちは、愛知県一宮市のおおい動物病院の院長、大威です。
突然ですが、CBDという成分やサプリについて、聞いたことはありますか?
当院では今年から動物用のCBDオイルのサプリの取り扱いをはじめました。
いま話題のサプリなんですが、いろいろ言われているのを聞くとなんだか不安?!に思う方もいるかもしれません。
そこで今回は、CBDとはなにか?という解説から、実際にサプリを投与して使用感のレポートまでお伝えしていきます。
目次
① 犬猫用サプリの前に・・・ CBDとは
② 犬猫用サプリの前に・・・CBDの効果
③ 犬猫用のサプリとしてCBDを選ぶ時の注意点
④ 犬猫用サプリCBDオイルの実際の使用例
⑤ 犬猫用サプリCBDオイルのまとめ
① 犬猫用サプリの前に・・・ CBDとは
CBDという言葉を聞いたことはありますか。
ストレス緩和やリラックス作用のある成分として、ネットショップ等ではたくさんの商品がありますし、最近ではエステサロンで使用されたり銭湯(サウナ施設)で販売されていますし、自動販売機でもCBDを配合したジュースが売られています。
CBDとは大麻から抽出される成分の1つであるカンナビジオールのことを指します。大麻と聞くと不安になると思いますが、CBDは合法で安全な商品です。
そもそも大麻の成分は大別するとCBD(カンナビジオール)とTHC(テトラヒドロカンナビノール)の2つに分けられます。
このうちTHCは脳に直接作用し高い精神活性作用(いわゆる「ハイ」になるというやつです)と中毒性を持つため日本では麻薬指定を受けており違法とされています。THCの類似化合物を新たに作り出し、いわゆる合法ハーブ・合法ドラッグなどとして販売し厚生労働省から規制を受ける、また新たな化合物を作り出して販売するというイタチごっこが社会問題になっています。
◆大麻成分や類似化合物について
CBD | カンナビジオール | 合法 | 抗てんかん薬として医療用大麻の主成分として使われる。リラックス作用やストレス緩和作用など。 |
THC | テトラヒドロカンナビノール | 違法 | 大麻由来の天然有害成分。抗精神作用や中毒作用あり。大麻取締法で禁止。 |
HHC | ヘキサヒドロカンナビヘキソール | 違法 | THC類似合成化合物。22年3月規制薬物に。 |
THCH | テトラヒドロカンナビヘキソール | 違法 | THC類似合成化合物。23年8月規制薬物に。 |
HHCH | ヘキサヒドロカンナビヘキソール | 違法 | 大麻グミとして話題に。THC類似合成化合物。23年12月規制薬物に。 |
違法成分であるTHCとCBDは全く異なるものだり、CBDは様々な症状に効果があることが知られており、海外では医薬品としても使用されています。
② 犬猫用サプリの前に・・・CBDの効果
ヒトをはじめ多くの哺乳類には生体の恒常性(ホメオスタシス)を保つための内因性カンナビノイドシステム(ECS)が存在します。このECSは食欲・睡眠・性行動・疼痛・免疫・感情・運動機能・老化・記憶などを調節しており、健康な生体活動のベースとなっております。
しかし老化やストレスなどにより「カンナビノイド欠乏状態」になると恒常性が崩れ、様々な悪影響が出てきます。CBDは体内に取り込まれると内因性カンナビノイドと同じようにECSを活性化しカラダの自然治癒力を助けます。
医療用大麻は抗てんかん薬として外国で使われていますし、国内でも医療用大麻は解禁される流れになるようです。
CBDはてんかん治療のほかにもストレス緩和・分離不安などの精神疾患の改善・関節炎などの疼痛緩和・アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患や炎症性腸炎などの炎症性疾患などの緩和などへの適応の可能性があります。
これらの疾患は多くが完治することはなく、一生うまく付き合っていく必要があります。既存の薬などでうまくコントロールできない場合、治療の選択肢の1つとしてCBDを活用してみるのも良いかもしれません。
そのほか、わんちゃんは7歳を過ぎたら、ねこちゃんは8歳を過ぎたらシニア期が始まります。
愛犬、愛猫に下記のような様子が見られたら、CBDの使用を検討してみてもいいかもしれません。健康な子は健康な状態を維持、調子の悪い子は、健康な状態に整える作用があります。
・体のどこかが痛そう
・皮膚の調子が悪い
・食欲が落ちている
・ふらつく
・元気がない
・ふるえる
・不安傾向が強い
・攻撃的である
・威嚇行動が見られる
③ 犬猫用のサプリとしてCBDを選ぶ時の注意点
前述のように大麻の成分のうちCBDは安全で合法ですが、THCは違法成分です。ネットショップなどで検索をするとCBD製品は山のように出てきますが、大麻からCBDを抽出する際にTHCが残存した商品は違法となりその所持は罰せられる可能性があります。
実際に厚生労働省のホームページではCBD製品中からTHCが検出された商品の注意喚起がされています。粗悪品でTHCが残存していたり、「あえて」THCを取り除いていない商品もあるようです。技術の進歩によりTHCを完璧に取り除く方法が確立されているので、信頼できるメーカーの商品を選ぶ必要があります。
またヒト用のCBD製品の中には、ヒトには安全でも犬や猫にとっては有害な成分が入った商品もあります。ペット用の製品を使ったほうが安心安全です。
繰り返しになりますが、CBDのサプリメントを選ぶ際は、下記のポイントに注意しましょう。
1. ペット専用の製品であること。人用の製品には、ペットに有害な香料などが含まれている可能性があります。
2. 臨床報告があるなど、信頼できる製品であること。
3. オーガニック栽培された原料であること。原料である植物のヘンプ(麻)は、地面から汚染物質を吸収するという特性があり、土壌に含まれる有害物質やヒ素などの重金属がオイルを作る際に濃縮されて混入してしまう可能性があるため。
4. 植物の全成分を含有したフルスペクトラムで、かつTHCフリーであること。単一成分のみを含有するアイソレートといわれる製品より、フルスペクトラムの方が、含まれる様々な成分の相互作用により、効果が高くなると考えられます。
5. 第三者検査機関による検査をクリアした製品であること。残留農薬や重金属などが不検出であることがきちんと証明されている、信頼性のある製品を選びましょう。
④ 犬猫用サプリCBDオイルの実際の使用例
当院でも実際に分離不安の猫ちゃんや、腹部のなめこわしがひどい猫ちゃん、ストレス性膀胱炎の猫ちゃんに処方し、効果を感じている子は飲み続けてもらっています。
当院で扱っているCBDオイルは、MCTオイルにCBDを溶かしている製品のため、脂分が高いウェットフードと混ぜると相性が良いようです。
少量のおやつに混ぜるとぺろっと食べてくれる子もいます!
(どうしても油のにおいがイヤ!という子もいるので、悩ましいですが・・・)
④ 犬猫用サプリCBDオイルの実際の使用例
⑤ 犬猫用サプリCBDオイルのまとめ
CBDは正しく使えば様々な疾患から日常生活のQOLの維持・向上まで使用でき、大きな可能性を秘めています。しかし残念ながら、違法な粗悪品などが巷にあふれているのも事実です。
ぜひ安全でしっかり効果のある製品を、使用経験の豊かな獣医師のもと使用されることをお勧めします。
当院でも天むすが使用したCBDオイルは常に在庫を置いています。ほかにも、わんちゃん用のチュアブルや、耳介などに塗って使うジェルなどもあります。
興味のある方は是非、診察時に獣医師にご相談くださいね。詳しくご説明させていただきます。
最近花粉症が辛いです。
食べ物以外ほとんどアレルギーがありましたが、当院でもお出ししている整腸剤・ソフィアと脂肪酸サプリ・アンチノール( の人間版リプリノール)で相当症状が改善しました。
それでもやはり花粉症シーズンは辛いので、CBDも試してみたいな、と思っています。