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2022/03/18
妊娠猫を保護したらどうすればいいの? 出産、子育て、譲渡までを詳しく解説します!<原>
こんにちは、トリマーの原です!
うちのペットを紹介してきましたが、今回は新たに家族になった元野良猫のおこげのお話です!
おこげは妊娠した状態で保護しました。
今回は、妊娠猫の保護、出産、子育て、譲渡について詳しく解説していきますね!
1.妊娠猫の保護(猫の発情について)
2.猫の妊娠・出産について
3.猫の子育て、離乳について
4.保護猫の譲渡について
5.同居猫とどうやって慣らすか
1.妊娠猫の保護
ある夜にダンボールを捨てに行った帰り歩道の隅にいたおこげをみつけ、「おいで」と、呼んでみたところ来てくれて、さらに玄関まで着いてきてくれたのでキャリーに入れ保護しました!
おこげは推定1歳にもなっていない若い猫で、とてもひとなつっこく、すんなりキャリーに入ってくれましたが、大人の猫だと警戒されることも。
怖がりな猫ちゃんを保護したい場合は、少しずつおやつで手懐けるなど、時間をかけるとよいでしょう。
今現在お困りで、すぐに保護をしたい場合は、保護団体などに相談するのもおすすめです。
その後、おこげは、動物病院にて体調チェック&避妊手術のためレントゲン撮影をしたところ、妊娠していることがわかりました。
そのままでは外で増えてしまうため、しばらくは我が家にて保護することに決めました!
*生まれた子猫の命に責任が取れない場合、子猫ごと子宮をとって母猫の避妊手術を行う、堕胎手術という選択肢もありますが・・・・・・事前にしっかり検討されることをおすすめします。
(猫の発情について)
猫は春と秋の二回、女の子にだけ発情期がきます。
この時期はオスを探して回り、高い声で鳴いたり、尻尾を高く挙げてオスにすり寄ったり、スプレー(マーキング)をして「私はここにいるよ」とアピールしたり・・・とにかくとっても積極的になります。
しかも、猫は交尾が刺激となって排卵しますので、妊娠する率がとても高いのも特徴です。
犬より猫で「多頭飼育崩壊」といったワードをよく聞くのは、こういった事情があるんです。
初回発情は、大体生後8ヶ月くらいで起こります。
この初回発情でも妊娠は可能ですが、まだ体が出来上がっていない子供が子供を産むようなものなので、体には負担がかかります。
もしご家庭の猫ちゃんに子供を産んで欲しいと思っている場合でも、この初回発情で妊娠させるのは避けましょう!
また、近年「妊娠期間中の母体のストレスは、子供のストレス耐性に影響する」という研究が発表されています。
妊娠期間中にしっかりご飯を食べられる、安心できる環境で過ごした母猫から生まれた子猫は、環境変化などに対するストレスを感じにくいと言われています。
保護した時から怖がりで慣れない猫ちゃんは、もしかしたらお母さんのお腹にいるときに、お母さんが怖い思いをしていたのかもしれません・・・
幸せで穏やかな猫ちゃんを増やすためにも、未避妊・未去勢猫の脱走などには気をつけていきましょう!
2.猫の妊娠・出産について
猫の妊娠期間は約2ヶ月です。
大体妊娠40日以降にレントゲン撮影をすると、赤ちゃんの骨がうつってくるので、お腹の中に何頭いるかが分かります。
人間の妊婦さんではレントゲン撮影は極力避けますが、犬や猫の場合は、妊娠する赤ちゃんの数が多いので、エコーだけでは正確な頭数がわからないことが多いです。
そのため、出産前にレントゲン撮影をすることがあります。
お産がスムーズに進み、すんなり全頭出てきてくれれば良いのですが、途中でお母さんやお腹の赤ちゃんが疲れてしまってお産が止まった場合、「お腹の中にあと何頭いるのか」が重要になってきます。
猫ではほとんどありませんが、犬の場合は途中で帝王切開に切り替えることも。
赤ちゃんがお腹の中に残ったままお産が終了してしまった場合、お腹の中で赤ちゃんが死んでしまうばかりでなく、お母さんも命を落とす可能性があります。
特に猫は多胎なので、心配な場合は事前にレントゲン撮影を行い、しっかり頭数を把握しておきましょう!
妊娠中のお母さんは、お腹の赤ちゃんの分まで栄養をとる必要があります。
猫の一生のうちに、1番栄養要求量が高いのは妊娠中とも言われるほど。
妊娠中は、子猫用のフードなど、カロリーと栄養が高いフードを与えましょう。
また、安心した環境でお産ができるよう、出産時期が近くなったら、静かなお部屋を用意しましょう。
他にも猫ちゃんを飼っている場合、仲の良さにもよりますが、その期間はあまり顔を合わせないようにする方がよいかもしれません。
生まれたての赤ちゃんは出入りができず、お母さんだけ出入りができるくらいの高さのある寝床を用意してあげるとよいでしょう。
妊娠猫を保護して、妊娠期間がわからない場合は、レントゲン撮影をして赤ちゃんの骨の濃さを見て、大体の日齢を見てもらうのも一つの手です。
おこげの話に戻ります!
我が家は多頭飼育で、家でおこげが安心して産める環境が整うまでのあいだ、病院で預かってもらいましたが、その後無事家で6頭出産しましたー!
おこげがいる部屋には、他の猫は一切入らないようにし、猫ちぐらと段ボールとケージを用意して、おこげが好きなところで静かに産めるように配慮しました。
おこげの場合、出産は朝の7時少し前から始まり、20〜30分くらいの間隔で出産、最後の6頭目が生まれたのが9時半ごろでした。
出産後舐めたり、へその尾の処理をしたり、はすべておこげが自分で行ったので、私は出産中、子猫がちゃんと鳴くかどうかだけ確認し、あとは見守っているだけでなにもしませんでした。
もしおこげが何もしなかった場合は、へその緒を糸で縛ったり、子猫の濡れた体を清潔なタオルで拭いたりしなければならなかったと思います!
3.猫の子育て、離乳について
お母さんの母乳には、出産後数日間、免疫を強くする成分が たくさん含まれています。
産まれたらなるべく母乳を飲ませましょう。
お母さんが子猫たちのお世話をしてあげている場合は、人間は優しく見守ってあげましょう。
お母さんが全くお乳を飲ませない、子猫をなめたり世話をしている様子がない、といった場合は、人間が手伝ってあげる必要があります。
ペットショップでは、猫用ミルクが売られていますので、はじめは3時間おきにスポイトなどで飲ませましょう。
子猫はお母さんがお腹を舐める刺激でおしっこやうんちをしますので、食後は片手で仰向けに子猫を抱っこし、下腹部を指で優しくトントンと刺激して排泄をうながしましょう。
生後2〜3週齢から歯が生え始めますので、様子を見ながら離乳食をスタートしましょう。
ちなみに耳の穴は、生後9〜11日後に開通します。
それまでは耳の穴がありませんが、耳は聞こえています。
おうちで生まれた猫ちゃんがいたら、ぜひ耳穴チェックもしてみてくださいね〜
幸いおこげは子育て上手で、しっかりと6頭育ててくれました!
ペットショップでも、引き渡しは生後56日以降と決まっているため、それを参考に、2ヶ月まではおこげと子猫たちを一緒に過ごさせることに決めました。
この頃にはしっかりと歯も生え、ドライフードも食べられるので、安心して引き渡しができます!
4.保護猫の譲渡について
生後2ヶ月すぎてから、里親さんに譲渡しました。
みんな幸せに暮らしています!
そのうちの1匹がトリマー平山のコラムでも紹介されているよもぎです!
今回は、すべて知り合いに譲渡しました。
最近では、SNSなどで気軽に発信できるため、譲渡先を見つける方法も増えました。
ただ、よく知らない方に大切な子猫を譲るのは怖いなと感じるかもしれません。
その場合は、動物病院の先生に相談し、子猫が欲しい方を探してもらうのもありかもしれません。
子猫なら比較的貰い手はつきやすいと思います!
5.同居猫とどうやって慣らすか
おこげも親子(おこげと子猫の2頭)で里親さんの所へ行きましたが、里親さんの先住猫達とどうしても合わず、うちに戻ってきました!
今は私の部屋に柵をつけて慣らしています🥰
お互い慣れていない時期に接触させると、ケンカをして大怪我に発展したり、仲がとことん悪くなって、二度と同じ空間で暮らせないこともあるので、慎重に慣らしていきました。
うちの場合は、柵で完全に隔離し、目隠しをしていましたが、少しずつ目隠しを上げていきました!
そしておこげが慣れてきているぎんなん(シャム風)やきなこ(キジトラ)が部屋の前にいて私が見ていられる時は、目隠しを完全に上げたりします!
これからも仲良く怪我なく、みんなが幸せに暮らせるよう、スモールステップで慣らしていく予定です!
今回は、おこげの経験をもとに、猫の妊娠、出産、子育て、譲渡に関して紹介しました!
梅雨時期に、お母さんとはぐれてしまった子猫を保護した場合も、是非参考にしてみてくださいね!
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