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2023/06/30

愛犬のがん検診にリキッドバイオプシー<院長>

愛犬のがん検診にリキッドバイオプシー<院長>

先日から当院でリキッドバイオプシーという検査を行えるようになりました。

これは、少しだけ採取した血液により、がん検診ができるというものです。

まだまだ聞き慣れない単語だと思いますので、詳しく説明していきます。

 

1.がんの早期発見と早期治療

2.リキッドバイオプシーとは

3.リキッドバイオプシーの臨床応用

4.リキッドバイオプシーはこんな子におすすめ!

 

 

 1.がんの早期発見と早期治療

あるデータによると犬の死因の54%は「がん」で死因のトップとされています。がんは早期に発見できれば、ヒトもペットも根治できる可能性の高い、決して怖い病気ではありません。

しかし、がんは水面下で増殖し、体内のがん細胞が一定の数を超えたとき急性かつ重篤な症状を出すことが多いです。また犬のがんの成長速度はヒトの約5~7倍とされており、実際に治療していてもがんの診断がついた時点でかなり末期の状態であることも珍しくありません。

がんはいかに早く発見し、早く治療を開始するかによって予後が変わってきます。

 

 

2.リキッドバイオプシーとは

わずかな血液だけで、犬のがんを発見する日本発の革新的な検査技術です。

従来のレントゲンやエコー検査を中心とした画像検査では一般的に1㎤程度の大きさの腫瘤(デキモノ)がないとなかなか発見できませんでした。しかし、リキッドバイオプシーの場合、血液からがん細胞が分泌する物質(マイクロRNAを検出することでこれまでよりも初期段階のがんを発見することができます。

採血をするだけでがんになっているかわかるなんて、すごいですよね。

 

 

3.リキッドバイオプシーの臨床応用

現在、検査可能ながんは肝臓がん、口腔内メラノーマ、尿路上皮がん、リンパ腫、肥満細胞腫の5種が対象となっています。これらのがんは犬のがんのなかでもかなり主要で重要なものであり、さらに今年中に13がん種まで拡大予定となっています。また検査精度も90%程度ということでかなり期待が持てるものとなっています。

ちなみに来年にはネコの検査も可能になる予定です。

さらにリキッドバイオプシーはがんの早期発見だけではなく、がんマーカーとして治療効果の判定や再発予測などにも応用可能となっています。

 

4.リキッドバイオプシーはこんな子におすすめ!

ヒトの医療分野ではかなり浸透してきたリキッドバイオプシーという分野。愛犬といつまでも素敵な時間を過ごすために定期的ながん検診をおすすめします。

リキッドバイオプシーはこんな方・こんなときにおすすめ!

・シニアのわんちゃんの健康診断時に

・肥満細胞腫などを切除したことがあり、再発していないか調べたい

・前のわんちゃんをがんで亡くしてしまって、次は必ず早期発見したい!

 気になる方はぜひお問い合わせくださいね。

 

ちなみに、リキッドバイオプシーに関して、アニマルハウスユーキさんのYouTubeでも分かりやすく紹介されているので参考にしてみてくださいね。

受付から検査結果報告までの一連の流れがわかりやすく紹介されています!

 

 

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