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2025/11/07

犬の避妊・去勢手術のメリットと注意点|一宮市 おおい動物病院<増田>

犬の避妊・去勢手術のメリットと注意点|一宮市 おおい動物病院<増田>

こんにちは!愛玩動物看護師の増田です。

ここ数日で急に寒くなってきましたね。インフルエンザやマイコプラズマ肺炎が流行しているそうなので、基本的な感染対策をして、体調に気をつけていきましょう!

さて、今回は犬の避妊・去勢手術についてお話しようと思います。愛犬との時間を長く健康に過ごしてもらうために、とても大切な予防医療のひとつです。

最近では「かわいそう」「自然のままにしたい」というご意見もありますが、実はこの手術にはたくさんのメリットがあり、子宮蓄膿症・乳腺腫瘍・精巣腫瘍などの予防にもつながる大切な処置です。迷っている方の参考になればうれしいです。

 

1. 健康面でのメリット

まず、健康面でのメリットです。

メス犬の場合、避妊手術を行うことで将来的に子宮蓄膿症乳腺腫瘍の発生リスクを大きく減らすことができます。特に初回発情前に手術を受けると乳腺腫瘍の予防効果が高いことが分かっています。

子宮蓄膿症は命に関わる病気で、治療のために緊急手術が必要になるケースも少なくありません。事前に避妊手術をしておくことで、そうしたリスクを避けることができます。

オス犬では、精巣腫瘍前立腺疾患の予防が期待できます。また、ホルモンの影響による攻撃性やマーキング行動の軽減にもつながります。

 

2. 行動面でのメリット

次に、行動面でのメリットです。

発情期になると、メス犬は出血やオス犬を引き寄せるフェロモンを出すため、飼い主さんが目を離せない時期が続きます。一方でオス犬は、発情中のメス犬の匂いに強く反応し、落ち着きがなくなったり、脱走を試みたりすることもあります。

避妊・去勢手術をすることで、こうした発情に関連するストレスを減らし、犬自身が穏やかに過ごしやすくなります。

また、望まれない繁殖を防ぐという社会的な意味も大きいです。不幸にも生まれてしまう命を減らし、すべての犬が幸せに暮らせる環境づくりに貢献することができます。

もちろん、手術には全身麻酔を伴うため、デメリットやリスクもゼロではありません。手術前には必ず健康診断や血液検査を行い、体の状態を確認した上で実施します。手術後は一時的に痛みや食欲低下などがみられることもありますが、ほとんどの犬が数日で元気を取り戻します。

 

3. 手術に適した時期

おおい動物病院では、犬の避妊・去勢手術は生後6ヶ月以降でお受けしています。ただし、体の成長が遅い、乳歯が生え変わっていないなどの場合は、もう少し遅めの時期での手術をご提案しています。

手術適期のご相談も承っておりますので、心配な方は一度診察予約の上ご来院ください。

また、メス犬で発情が来た場合は、子宮と卵巣の血管が太くなりリスクが高くなるため、手術を2ヶ月待っていただきます。その場合もご相談ください。

オーナーさまから「いつまで避妊・去勢手術ができるの?」と質問されることもあります。理論上は、何歳まででも手術可能です。しかしメス犬の場合は、2回目の発情が来た後に避妊をしても、その後乳腺腫瘍になるリスクは下がりません。ただし、子宮蓄膿症の予防はできます。

「小さい頃に手術するタイミングを逃してしまった」とお悩みの場合も、ぜひ一度ご相談くださいね。

 

4. 当院での手術の流れ

ここでは、一宮市のおおい動物病院で手術をする場合の流れをまとめます。

  1. ご予約:お電話またはご来院にて手術日をご予約ください。現在、ネットからの手術予約は受け付けておりません
  2. 手術当日の来院:手術日当日は朝ごはんを抜いて、9:00〜11:00のあいだにご来院ください。オヤツも含めて食べ物は与えないでください。麻酔を安全にかけるために、胃の中を空にしておくことがとても大切です。少量のお水はOKです。
  3. 術前説明:ご来院後、獣医師から手術の内容や注意点についてご説明します。そのあとでわんちゃんをお預かりしますので、時間に余裕を持ってお越しください。
  4. 手術:手術はお昼休みの時間帯に行います。
  5. お迎え:16:00〜19:00のあいだでお迎えをお願いしています。
  6. 術後ケア:翌日からはほぼいつも通り過ごしていただけますが、10日〜2週間ほどで抜糸があります。それまでは傷口を舐めないように術後服またはエリザベスカラーの着用をお願いしています。
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写真左:術後服(ピンクは女の子用・ブルーは男の子用)/写真右:首に巻きつけて使用するエリザベスカラーです。

ご不明点や「この子の年齢でも手術して大丈夫?」といったご相談があれば、どうぞお気軽にお声がけくださいね。

 

まとめ

避妊・去勢手術は「子どもを産ませないためだけの手術」ではありません。

将来の病気を防ぎ、発情によるストレスを減らし、飼い主さんもわんちゃんも安心して暮らすための大切な医療行為です。タイミングや方法は犬の年齢・体格・持病などによっても変わりますので、迷っている方は一度獣医師にご相談ください。

 

image0-2.jpeg◆執筆:増田晴佳(愛玩動物看護師)
学生時代はバスケ部に所属していました。
今は少し運動するだけで全身筋肉痛になるほど運動不足ですが、今でもスポーツは結構好きです。

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