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2025/09/13
犬・猫の外耳炎について|一宮市 おおい動物病院【耳科に強い動物病院】
こんにちは、愛知県一宮市のおおい動物病院の副院長、大威優子です。
今回は犬猫に多い外耳炎のお話です。
犬や猫の診療の中でも、外耳炎は非常に多い病気のひとつです。
特に犬では、約5頭に1頭が生涯のどこかで外耳炎を経験するといわれています。
実際、アニコムに保険請求した診察内容を診療科ごとにみてみると、犬では皮膚科が一番多いんです。
(不思議なことに、犬猫では耳科は皮膚科に含まれます。人間だと皮膚科と耳鼻咽頭科に分かれているのに変ですよね……)
かゆみや耳を振る仕草、耳のにおいや赤みなどが見られたときは、外耳炎のサインかもしれません。
軽い症状に見えても、放置すると慢性化したり、中耳炎・内耳炎へと進行してしまう可能性があります。
今回は、犬・猫の外耳炎についてわかりやすくご説明します。
外耳炎の原因はさまざまです
外耳炎は「耳が汚れただけ」「細菌が増えただけ」と思われがちですが、実際には原因が複数あります。
- 細菌や真菌(カビ)の感染
- 耳ダニなどの寄生虫
- アトピーや食物アレルギーなどの体質
- 外耳道の形(垂れ耳や耳道が狭い犬種)
- ポリープや腫瘍など耳の構造的な異常
一般的な診療の限界
多くの動物病院では耳鏡を用いて耳の入り口付近を観察します。しかし外耳炎は耳の奥で炎症が起きていることも多く、従来の方法では十分に確認できない場合があります。
そのため「点耳薬を使って様子を見ましょう」となることもありますが、奥に膿や異物が残っている場合には改善が見られず、慢性化することもあります。
また、犬や猫の耳の構造は、人間の耳より入り組んでいます。
こちらは、犬の耳の模型です。(猫も折れ曲がっている点は大体同じです。)
人間の耳は、耳道が横に一直線に伸びているで、手持ち耳鏡でも鼓膜まで観察が可能です。
しかし、犬や猫の耳は途中で垂直に折れ曲がっているため、手持ち耳鏡で入り口まで覗いただけでは、なかなか鼓膜までは観察ができません。
(調子のいいダックスフンドでは鼓膜まで見えることがありますが、そもそも手持ち耳鏡では明るさが足りないので、見えたとしても鼓膜に小さな穴が空いている、などはわかりません)
当院の特徴:耳内視鏡(ビデオオトスコープ)による精密な診断
おおい動物病院では、ドイツ・ストルツ社製の耳内視鏡(ビデオオトスコープ)を導入しています。
一宮市では導入している病院が少なく、耳科診療に強みを持つ当院ならではの特徴です。
耳の奥の状態を映像で直接確認できるため、炎症や膿、異物、ポリープの有無を正確に把握できます。
また、映像を飼い主さまと一緒に確認できるため、治療の方針をわかりやすくご説明できます。
さらに、必要に応じて細菌培養検査やアレルギー検査を組み合わせ、外耳炎の原因を突き止めた上で最適な治療をご提案しています。
当院に導入したストルツ社製耳内視鏡については、以下の記事でも詳しく紹介しています。
▶ 耳内視鏡導入のお知らせ
また、アニマルックという簡易型の耳内視鏡もありますので、日常の耳診察ではこちらを使用しています。
簡易モデルですので画質や光量はストルツ社製の耳内視鏡に劣りますが、診察室で鼓膜の確認が可能です。
こちらの簡易型耳内視鏡で問題が見つかった場合は、全身麻酔下での耳内視鏡処置をお勧めしています。
外耳炎を放置するとどうなる?
外耳炎を放置すると、外耳道の皮膚が厚くなり耳の穴が塞がってしまうことがあります。その結果、薬が奥まで届かず、治療がより難しくなります。
また炎症が中耳や内耳に広がると、平衡感覚の異常や神経症状を引き起こすこともあり、重症例では外科手術(耳道切除)が必要になることもあります。
犬の外耳炎の原因は8割以上がアレルギー(食べ物・環境由来)という報告もあります。
例えば花粉症の人が花粉症を「治す」ことは難しいのと同様に、犬の外耳炎を「根治する」ことは難しく、それゆえ再発率の高い病気です。
当院では、まず原因疾患を調べる(アレルゲンを探す)、再発防止のために最適な治療をそれぞれに合わせて探していく、ということを大切にしています。
「一生お付き合い」が必要な病気だからこそ、体の負担や家族の負担を最低限にできるよう、日々勉強を続けています。
まとめ
外耳炎は犬や猫にとても多い病気ですが、原因は多岐にわたり、繰り返しやすい厄介な病気でもあります。だからこそ、正しい診断と適切な治療が欠かせません。
当院では耳内視鏡を用いた精密な診断と治療を行い、飼い主さまと一緒に改善を目指しています。
耳をかゆがる、頭を振る、耳からにおいがするなどの症状が見られたら、早めに一宮市のおおい動物病院にご相談ください。
▶ 関連記事:耳内視鏡導入のお知らせ
◆執筆:大威優子(おおい動物病院副院長・獣医学博士)
はじめは皮膚科に興味があり勉強を始めましたが、今では毎日耳のことばかり考えています。