お知らせ
- 2025-12(3)
- 2025-11(4)
- 2025-10(2)
- 2025-09(6)
- 2025-08(2)
- 2025-07(3)
- 2025-06(2)
- 2025-05(4)
- 2025-04(2)
- 2025-03(2)
- 2025-02(2)
- 2025-01(2)
- 2024-12(2)
- 2024-11(4)
- 2024-10(2)
- 2024-09(3)
- 2024-08(2)
- 2024-07(3)
- 2024-06(2)
- 2024-05(3)
- 2024-04(2)
- 2024-03(4)
- 2024-02(3)
- 2024-01(6)
- 2023-12(4)
- 2023-11(4)
- 2023-10(3)
- 2023-09(7)
- 2023-08(1)
- 2023-07(4)
- 2023-06(6)
- 2023-05(4)
- 2023-04(6)
- 2023-03(3)
- 2023-02(8)
- 2023-01(3)
- 2022-12(4)
- 2022-11(6)
- 2022-10(4)
- 2022-09(4)
- 2022-08(6)
- 2022-07(3)
- 2022-06(6)
- 2022-05(6)
- 2022-04(8)
- 2022-03(7)
- 2022-02(2)
- 2022-01(8)
- 2021-12(4)
- 2021-11(3)
- 2021-10(7)
- 2021-09(5)
- 2021-08(3)
- 2021-07(5)
- 2021-06(7)
- 2021-05(3)
- 2021-04(5)
- 2021-03(5)
- 2021-02(9)
- 2021-01(6)
- 2020-12(4)
- 2020-11(9)
- 2020-10(9)
- 2020-09(3)
- 2020-08(9)
- 2020-07(8)
- 2020-06(5)
- 2020-05(3)
- 2020-04(1)
- 2020-03(7)
- 2020-02(2)
- 2020-01(1)
- 2019-12(1)
- 2019-11(5)
- 2019-10(1)
- 2019-08(1)
2025/12/19
冬は猫の尿トラブルが増える季節?膀胱炎・結石・尿道閉塞の危険サイン<冨板>|一宮市おおい動物病院
⏱ このコラムは約 6分 で読めます
こんにちは!愛知県一宮市「おおい動物病院」の愛玩動物看護師、冨板です。
今回は、寒くなる時期にぐっと増える「猫ちゃんの尿トラブル」についてのお話です。
季節の変わり目、とくに秋から冬にかけては、猫ちゃんの体調や行動に変化が出やすい季節です。
抜け毛が増えたり、毛玉を吐きやすくなったり、「なんとなく元気がないかも…」と感じる方もいるのではないでしょうか。
実はこのタイミングで増えてくるのが、膀胱炎や尿路結石などの「泌尿器トラブル」です。
おおい動物病院でも、毎年冬になるとおしっこの異常で来院される猫ちゃんが増えたな、と感じています。
本コラムでは、
・なぜ寒くなると猫の尿トラブルが増えるのか?
・膀胱炎や結晶・結石といった基礎疾患にはどんなものがあるのか?
・合併症として最も危険な「尿道閉塞」とは?
・ご家庭で気づけるサインや予防のポイントは?
といった点を、わかりやすくお伝えしていきます!
目次
1. 冬に泌尿器トラブルが増える理由
2. 冬に増える「膀胱炎・結晶・結石」などの基礎疾患
3. 合併症として最も危険な「尿道閉塞」について
4. 自宅で気づける「危険サイン」
5. まとめ
1. 冬に泌尿器トラブルが増える理由
① 水を飲む量が減る
寒い時期は猫の活動量が落ち、飲水の頻度も自然と減りがちです。
さらに水が冷たいと「冷たい水はあまり飲みたくない…」と感じて、ますます飲水量が低下してしまうことも。
その結果、
・尿が濃くなる
・膀胱の粘膜が刺激されやすくなる
・結晶が形成されやすくなる
といった変化が起こります。
猫の尿は濃いほど、結晶(ストルバイトやシュウ酸カルシウム)ができやすくなります。
「冬に水を飲まない」は、尿トラブルの大きな要因のひとつなんです😰
② トイレに行く回数が減る
トイレが寒い部屋や廊下に置いてあると、猫はその場所に行くのを嫌がることがあります。
「寒いから、あとでいいや…」とトイレを後回しにしてしまうイメージです。
その結果、
・膀胱に長時間尿をためてしまう
・膀胱内で細菌が繁殖しやすくなる
・尿中の結晶が沈殿しやすくなる
といったリスクが高まります。
③ 体が冷える
猫は冷えに弱い動物です。
下腹部が冷えると血流が悪くなり、膀胱粘膜の免疫力が低下して炎症が起きやすい状態になります。
こたつや布団の中など、あたたかい場所にこもる時間が増えるのも冬ならでは。
ぬくぬくしているのは良いことですが、「あったかいところから動きたくない → 水を飲みに行かない」というパターンにつながることも、大いに考えられます。
2. 冬に増える「膀胱炎・結晶・結石」などの基礎疾患
寒い季節に増えやすい泌尿器疾患には、次のようなものがあります。
これらが悪化した結果として「尿道閉塞」が起こることもあります。
① 特発性膀胱炎(FIC)
原因がはっきりしない膀胱炎ですが、ストレスや環境要因が関与していると考えられています。
主な症状:
・頻回排尿
・血尿
・トイレで長くうずくまる
・排尿時に痛そうに鳴く
ストレスケアや生活環境の見直しが、とても大切な病気です。
② 細菌性膀胱炎
冬場や高齢の猫ちゃんに多いと言われています。
寒さや加齢などで免疫力が下がり、膀胱内で細菌が繁殖しやすくなることで起こります。
排尿時の痛みや頻尿、血尿などがみられることがあり、抗菌薬治療が必要になる場合もあります。
③ 結晶・結石(ストルバイト/シュウ酸カルシウム)
飲水不足で尿が濃くなると、結晶が作られやすくなります。
ストルバイトはアルカリ尿で、シュウ酸カルシウムは酸性尿で形成されます。
結晶が大きくなると結石となり、膀胱粘膜を傷つけたり、尿路を塞ぐ危険が高まります。
尿路ケア用フードへの変更や、場合によっては外科手術が必要になることもあります。
3. 合併症として最も危険な「尿道閉塞」について
特発性膀胱炎・細菌性膀胱炎・結晶や結石などが悪化すると、
オス猫では「尿道閉塞」という、命に関わる合併症を起こすことがあります。
尿道に結晶や粘液(プラグ)が詰まり、尿がほとんど出なくなってしまう状態です。
オス猫が半日〜1日排尿できていない場合は、かなり危険なサインです⚠️
すぐに動物病院を受診してください。
主な症状:
・トイレに何度も行くのに少ししか出ない
・まったく尿が出ていない
・お腹を触られるのを嫌がる
・ぐったりしている、元気がない
治療では、尿道カテーテルを用いて閉塞を解除し、点滴などで全身状態を整える必要があります。
4. 自宅で気づける「危険サイン」
次のようなサインがあれば、早めに病院へ相談してください。
● 危険度 高
・尿が出ていない(半日~1日排尿なしは危険!)
・トイレで叫ぶように鳴く
・血尿が出ている
・トイレにこもってなかなか出てこない
・トイレに何度も行くが少量しか出ない
・落ち着かずウロウロ歩き回る
特にオス猫の「少ししか出ない or 全く出ない」は非常に危険なサインです。
迷わず受診してください。
● 危険度 中
・いつもより尿の色が濃い
・トイレ以外での粗相が増えた
・排尿姿勢が長い
・出ている量が減ったように見える
多頭飼いのお家では、1匹1匹のおしっこを観察するのはなかなか大変だと思います。
排尿中の様子や普段の活動量、トイレに行く回数など、いろいろなポイントからチェックしていきましょう。
5. まとめ
冬の猫ちゃんの尿トラブルは、
・水をあまり飲まない
・寒さ
・ストレス
・活動量の低下
など、いくつかの要因が重なって起こります。
特発性膀胱炎・細菌性膀胱炎・結晶や結石といった基礎疾患が悪化すると、
合併症として命に関わる「尿道閉塞」を起こすこともあります。
毎日の観察で少しでも「いつもと違うな?」と感じたら、早めにご相談ください。
フードのご相談や生活環境のご相談だけでも大歓迎です!
寒い冬を飼い猫さんと一緒に元気に乗り越えられるよう、一緒にケアしていきましょう🍀






