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2025/09/15

小型犬に多い「乳歯遺残」とは?放置するとどうなる?抜歯が必要なケース|一宮市 おおい動物病院【歯科に強い】

小型犬に多い「乳歯遺残」とは?放置するとどうなる?抜歯が必要なケース|一宮市 おおい動物病院【歯科に強い】

こんにちは、愛知県一宮市のおおい動物病院の院長、大威政洋です。
日本ではトイプードルやチワワといった小型犬種が人気です。
これらの小型犬に多い「乳歯遺残(にゅうしいざん)」をご存知でしょうか?

 

犬の歯は、人と同じように「乳歯」から「永久歯」へと生え変わります。
しかし、小型犬では乳歯が抜けずに残ってしまう「乳歯遺残」がよく見られます。
乳歯遺残を放置すると、歯並びの悪化や歯周病の原因になることもあり、注意が必要です。
今回は、犬の乳歯遺残について詳しく解説します。

 

小型犬の乳歯遺残とは(正常な歯の生え変わりとの違い)

犬は生後3週間頃から乳歯が生え始め、生後6〜7か月頃までに永久歯へ生え変わります。
通常は乳歯が抜けてから永久歯が生えてきますが、乳歯が抜けずに残ったまま永久歯が生えてくることを「乳歯遺残」と呼びます。
その結果、同じ場所に乳歯と永久歯が二重に並んで生えてしまうことがあります。
2週間以上、永久歯と乳歯が並んで生えていると、「乳歯遺残」と診断できます。

 

小型犬で乳歯遺残が多い理由(チワワ・トイプードルなど)

乳歯遺残は特に小型犬に多く見られる傾向があります。
チワワ、トイプードル、ヨークシャーテリア、ポメラニアンなどの犬種は、あごの骨が小さく、歯の生え変わりのスペースが狭いため、乳歯が自然に抜け落ちにくいのです。
また、遺伝的な要因も関係していると考えられています。

 

放置するとどうなる?歯並び・歯周病へのリスク

乳歯遺残を放置すると、永久歯が正しい位置に生えられず、歯並びが悪くなります。
その結果、歯と歯の間に歯垢や歯石がたまりやすくなり、歯周病のリスクが高まります。
また、噛み合わせが悪くなり、あごや歯に負担がかかってしまうこともあります。

 

抜歯が必要なケースとタイミング

生後6〜7か月を過ぎても乳歯が残っている場合は、抜歯を検討する必要があります。
特に、永久歯がすでに生えてきて二重に並んでいる場合は、自然に抜ける可能性は低く、そのままにしておくと歯列不正や歯周病の原因になります。
通常は去勢・避妊手術などの麻酔処置と合わせて乳歯の抜歯を行うことが多いです。

 

ご家庭でできるチェックポイント

  • 乳歯と永久歯が二重に並んでいないか確認する
  • 下の犬歯(特に乳犬歯)が残っていないか注意する
  • 口臭や歯石がつきやすくなっていないかチェックする
  • 食べ方がぎこちない、噛みにくそうにしていないか観察する

気になる点があれば、早めに動物病院で診察を受けることをおすすめします。

 

当院の歯科診療について

当院では、歯科診療にも力を入れており、小型犬の乳歯遺残や歯周病の治療に対応しています。
乳歯遺残は「ただの生え変わりの問題」と思われがちですが、放置すると大きなトラブルにつながることも少なくありません。
歯の健康は全身の健康にも直結しますので、お気軽にご相談ください。

 

まとめ(早期発見・早期治療の大切さ)

乳歯遺残は小型犬に多く見られる歯のトラブルで、放置すると歯並びの乱れや歯周病につながります。
生後6〜7か月を過ぎても乳歯が残っている場合は、動物病院での相談が必要です。
当院では歯科診療にも力を入れ、乳歯遺残の抜歯や歯のケアを行っています。
大切な愛犬の健康のために、歯のチェックを習慣にしていきましょう。

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IMG_7956.jpg◆執筆:大威政洋(おおい動物病院院長)
名古屋の金魚展に行ってから、金魚を飼い始めました。
今まで待合室の水槽でいろんな魚を飼っていましたが、金魚が一番反応がいいです。