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2026/04/04

なぜ飲み薬を止めると耳が赤くなるのか?犬猫の外耳炎で見落とされやすい原因|一宮市 おおい動物病院

なぜ飲み薬を止めると耳が赤くなるのか?犬猫の外耳炎で見落とされやすい原因|一宮市 おおい動物病院

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こんにちは、愛知県一宮市のおおい動物病院、副院長の大威優子です。

犬や猫の外耳炎で、 「病院で出された飲み薬を飲ませている間はいいけれど、やめるとすぐに耳が赤くなって、また痒がる……」 そんなループに陥って、あきらめかけているオーナー様はいらっしゃいませんか?

実は、当院の耳科診察に来られるワンちゃん・ネコちゃんの中にも、痒み止めや抗生剤などを数ヶ月、時には数年も飲み続けている子が少なくありません。

なぜ、お薬を飲んでいるのにスッキリ治らないのでしょうか? 今回は、その「見落とされやすい原因」についてお話しします。

1. 痒みを止めることと、外耳炎を治すことは違います

まず知っておいていただきたいのは、「飲み薬の役割」です。

飲み薬(内服薬)は、体の中から炎症や痒みを抑えるのにはとても効果的です。しかし、外耳炎の現場である「耳の穴の中」に起きている物理的な問題を、直接取り除いてくれるわけではありません。

火事に例えるなら、飲み薬は「火の勢いを一時的に抑えるスプレー」のようなものです。 もし耳の奥に「燃えカス(溜まりきった耳垢)」や「火種(細菌の塊)」が残ったままだとしたら、スプレーを止めた瞬間に、また火が燃え広がるのは当然のことなのです。

見えないまま治療していませんか?

当院では、診察中に耳の中をモニターで確認しながら治療を行っています。

▶ 外耳炎が治らない方はこちら

2. 耳の奥に隠れた「悪化因子」の正体

飲み薬だけでは解決できない、耳の奥の「見落とされやすい原因」には、以下のようなものがあります。

深いところに溜まった耳垢(耳垢栓)

綿棒での掃除や表面の洗浄だけでは、耳垢を奥に押し込んでしまっている場合があります。これが耳の奥で腐敗し、常に炎症を引き起こす刺激物になります。
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バイオフィルム(細菌のバリア)

細菌がネバネバした膜を作り、お薬を跳ね返してしまう状態です。これは飲み薬や通常の点耳薬だけでは、なかなか壊せません。
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構造の変化

長期間の炎症で耳の皮膚が分厚くなり、耳道が狭くなっている状態です。こうなると、空気の通りが悪くなり、湿気がこもって菌が増え続ける「負のスパイラル」に入ります。

これらの原因は、耳の外から覗いただけでは、なかなか見つけることができません。

3. 「まず、一緒に耳の中を見る」ことから始めましょう

「何の薬かよく分からないけれど、とりあえず飲み続けている」 のなら、一度立ち止まって、耳の中を可視化(見える化)してみませんか?

当院では、日常の診察からアニマルック(簡易オトスコープ)を使用し、可能な限り無麻酔で耳の奥をモニターに映し出します。

オーナー様と一緒にモニターを見ながら、 「ここに古い汚れが溜まっていますね」 「この腫れのせいで、お薬が奥まで届いていないんですよ」 と、今起きている事実を確認します。

原因が分かれば、ただ薬を飲むのではなく、 「まずはこの汚れを専用の機材で洗い流そう」 「この子の体質なら、この管理方法がベストだ」 という、納得できる出口戦略が見えてきます。

4. まとめ:あきらめる前に、一度ご相談ください

「もう一生、お薬を飲み続けるしかないのかな……」と不安に思われるかもしれません。

確かに、アレルギーなどの体質がある場合、外耳炎をゼロにすることは難しいこともあります。しかし、耳の中の物理的な問題を解決することで、お薬の量を減らしたり、快適な状態を長く維持したりすることは十分に可能です。

今の治療に疑問を感じたら、それは「もう一歩踏み込んだ検査が必要なサイン」かもしれません。 一宮市周辺で、ワンちゃん・ネコちゃんの繰り返す耳の悩みをお持ちの方は、ぜひ一度おおい動物病院へご相談ください。

「あきらめない管理」を、一緒に見つけていきましょう。

【耳科診察のご案内】

当院の耳科診療の特徴や、精密検査に使用するストルツ社製ビデオオトスコープについては、以下のページで詳しく解説しています。

▶ 耳科のご案内ページはこちら

この記事を書いた人:副院長 大威優子