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2026/06/19
「飲むお薬を減らしたい」を叶える、当院の新しい皮膚ケアの取り組み
⏱ このコラムは約5分で読めます
こんにちは。副院長の大威優子(皮膚科・耳科担当)です。
実は一昨日、獣医師向けの学会にて、当院で成果を上げている「最新の皮膚病治療とスキンケア」について症例発表を行ってきました。
今回の発表のテーマは、「抗生剤(飲むお薬)をできるだけ使わずに、消毒や保湿剤などの外用管理だけで頑固な皮膚病を治す」という、当院の新たな挑戦についてです。
治らない皮膚病の背景にある「耐性菌」の問題
ワンちゃんの膿皮症(皮膚のブドウ球菌感染症)などで、長期間お薬を飲み続けていると、だんだんお薬が効かなくなる「耐性菌」が世界中で大きな問題になっています。
国際的な最新ガイドラインでも、「まずは飲み薬ではなく、皮膚への直接的なケア(外用療法)を第一選択にすべき」と強く推奨されています。
当院が実践する「攻めと守り」のオーダーメイドケア
当院では、この世界基準の考え方にいち早く注目し、以下のような特別なプロトコルを組み立てて治療を行っています。
| ⚡️ 攻めの除菌
一般的なスキンケアシャンプーよりも少し高濃度で安全な除菌成分(クロルヘキシジン 2.5%)を使い、皮膚の表面で悪さをしている菌やマラセチア(酵母用真菌)を物理的に取り除きます。 |
| 🛡 鉄壁の守り
強力に除菌した後の皮膚は、一時的に無防備で乾燥しやすい状態になります。ここに、当院が信頼している高機能保湿剤(N's drive スキンバリア・ヴィア)をたっぷりと浸透させ、皮膚のバリア機能を呼び戻します。 |
この「攻めと守り」のバランスを徹底した結果、これまで「お薬を止めるとすぐに膿皮症が再発してしまう…」と悩んでいたクッシング症候群のワンちゃんや、重いアレルギーを持つフレンチ・ブルドッグのワンちゃんたちが、痒みどめや抗生剤などの飲むお薬を完全に卒業、あるいは劇的に減らすことに成功しました。
セミナーで発表した「大切な教訓」
今回の発表では、成功事例だけでなく、私自身が経験した「失敗からの教訓」も包み隠さずお話ししました。
⚠️ 良かれと思った「足し算」が招いたトラブル
ワンちゃんの皮膚を大切に思うあまり、「あれもこれも」と良かれと思って複数の保湿剤やスキンケア製品を混ぜて使ってしまった結果、皮膚の表面で成分同士がケンカをしてしまい、逆に皮膚を詰まらせてしまうトラブル(有害事象)が起きたのです。
ここから得た教訓は、「引き算の医療」の大切さです。
優れた製品だからこそ、余計なものは一切混ぜない。シンプルに、その子の皮膚のロジックに合わせた最短ルートのケアを行うことが、一番の近道なのだと改めて実感しました。
最後に
ネット上や雑誌にはたくさんのスキンケア情報が溢れていますが、「良さそうなものをとりあえず足していく」ケアは、時にワンちゃんの皮膚の負担になってしまうことがあります。
当院では、これからも「教科書通りの一律の治療」ではなく、目の前のワンちゃんの皮膚の状態、そして最新の国際基準のデータを常に見つめながら、その子にとってベストな「お薬に頼りすぎないケア」をご提案していきます。
愛犬のベタつき、赤み、繰り返すカサカサにお悩みの方は、ぜひ一度お気軽にご相談くださいね。
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◆ 執筆:大威優子(副院長・獣医学博士) 学会は琵琶湖の湖畔で2日間にわたり行われました。学会最後に抽選会があり、なんと2日連続当選。主催者に「前世でどれだけ徳を積んだんだ」と笑われてしまいました。現世でもさらに徳を積んでいきたいです。 |
