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2026/09/08
長引く耳のかゆみ・外耳炎の原因は「耳の奥の葉っぱ」?ビデオオトスコープ症例<副院長>|愛知県一宮市 おおい動物病院
こんにちは!副院長の大威優子です 🐶
「お薬や点耳薬をしっかり続けているのに、なかなか耳の炎症や気にする仕草が治まらない」
このような「難治性外耳炎」でお悩みの飼い主様は少なくありません。
今回は、他院で1年以上治療を続けても改善せず、「夜も眠れないほど耳を気にしている」という主訴で当院を受診されたスタンダードプードルちゃんの症例をご紹介しながら、
長引く耳トラブルの裏に潜む意外な原因と、当院で行っているビデオオトスコープ(耳内視鏡)による「見える耳科診療」について詳しく解説します。
1. 1年以上続いた「夜も眠れない耳のかゆみ」
ご来院されたわんちゃんは、1年以上もの間、他院にて外耳炎の治療を継続されていました。
飼主様も大切に飼われており、お利口さんで、点耳薬もしっかり使えていたとのことです。
しかし一向に良くならず、激しいかゆみや違和感から「夜も落ち着いて眠ることができない」という非常につらい状態が続いていました。
ここで問題となるのが、わんちゃんの「耳の構造」と「犬種の特性」です。
大型犬で耳が大きく、さらに耳道の被毛が非常に豊かであるトイプードルやスタンダードプードルなどの犬種では、手持ちの一般的な耳鏡検査(肉眼での覗き込み)では光や視界が奥まで届きづらく、耳道の最深部(鼓膜付近)の状態を正確に把握することが困難なケースがあります。
2. ビデオオトスコープで判明した真の原因
当院にてビデオオトスコープ(耳内視鏡)を導入し、耳道の奥深く・鼓膜の直前まで精密な観察を行ったところ、驚くべき原因が判明しました。
なんと、鼓膜の手前に「長さ2〜3cmほどの葉っぱ」がガッチリと停滞していたのです。
拡大モニターで異物の位置や鼓膜の損傷有無を慎重に確認しながら、麻酔下にて安全に摘出処置を実施いたしました。
✨ 摘出後の変化
摘出を終えると、1年以上続いていた耳を気にする仕草はその日のうちに完全に消失!飼い主様からも「その日の夜から嘘のようにぐっすり眠れるようになりました」と大変嬉しいお声をいただきました。
3. 耳道内異物の種類:ノギだけじゃない!意外な原因とは?
耳の中に異物が入ってしまうトラブル(耳道内異物)として、一般的に有名なのは草むらなどに生えている「ノギ(植物の芒・尖った種子)」です。しかし、実際にはそれ以外にもさまざまな物が耳の奥に潜み、強い炎症や違和感を引き起こします。
a. 植物片(ノギ・葉っぱなど)
ノギは刺さりやすく抜けにくい構造をしているため警戒されますが、今回のように「2〜3cmほどの普通の葉っぱ」であっても、スタンダードプードルのような耳の大きい子だと入り込んでしまう場合があります。一度奥に入り込んでしまったり、毛に絡まってしまうと、自力で排出することはできません。
b. トリミング後などの「落毛」のへばりつき
最近当院で非常に多くご相談いただくのが、「トリミングの後に急に耳を気にするようになった」「ステロイドなどの消炎剤を使ってもかゆみが治まらない」というケースです。
このようなわんちゃんの耳道をオトスコープで観察すると、耳道自体には大きな炎症がないにもかかわらず、「カットされた抜けた毛(落毛)などの自分の毛が鼓膜にベタリとへばりついている」ことが多々あります。
この落毛が鼓膜を常にチクチクと刺激することで強い違和感が生じますが、消炎剤などの「お薬」では毛を取り除くことはできません。
麻酔下でのオトスコープ洗浄・除去を行うことで、一発で症状が解消します。
4. なぜ従来の診察で見落とされてしまうのか?
犬の耳道は人間と異なり、途中で「L字型」に曲がっています。そのため、垂直耳道の先にある水平耳道、そしてその最深部にある鼓膜周辺は、肉眼や一般的な耳鏡では光が届かず影になってしまいがちです。
💡 見落としのリスクが高まる条件
・耳毛が多い犬種(プードル、シュナウザー、マルチーズなど)
・耳道が深く広い大型犬
・耳垢や炎症による腫れで奥が見えにくくなっている場合
どれだけ優秀な抗生剤やステロイドの点耳薬を使い続けたとしても、「葉っぱ」や「へばりついた毛」といった物理的な異物が存在する限り、根本的に治ることはありません。
5. まとめ:長引く耳トラブルは当院の「見える耳科診療」へ
「長期間お薬を続けているのに外耳炎が治らない」
「トリミングや散歩のあとから、しきりに頭を振ったり耳を気にしている」
「夜も眠れないほど耳をかゆがっている」
もしこのような症状にお心当たりがある場合は、耳道の奥深くに異物や落毛が潜んでいる可能性を疑う必要があります。
おおい動物病院では、ビデオオトスコープを活用し、飼い主様と一緒にモニター画面で耳の中の実際の映像を確認しながら治療を進める「見える耳科診療」を行っております。
「セカンドオピニオンを聞いてみたい」「なかなか治らない耳のトラブルがある」「耳の中を奥まで確認してほしい」という飼い主様は、どうぞお気軽にご相談ください。
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◆ 執筆:大威優子(副院長 / 獣医学博士) ビデオオトスコープを活用した「見える耳科診療」を行っています。診察室で飼い主様と一緒に耳の中を確認することも可能です。治りにくい耳の症状もお気軽にご相談ください。 |



